DeNAから巨人にFA移籍する山口俊【写真:編集部】

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最有力は投手陣、実績のある西村を狙えば砂田の先発転向も可能に

 山口俊のFA移籍により、今季11勝の先発の柱が流出したDeNA。初のCS進出を果たした今季からさらに上位を目指す上で、チームの勝ち頭を失うことは痛手だが、山口は年俸8000万円のBランクにあたり、今後は移籍先の巨人から金銭か人的補償を受けることができる。

 巨人から28選手のプロテクトリストが届いた上でどちらの方法かを判断する。選手層が厚いとはいえないDeNAにとって実際に来季から稼働できる人的補償が有力な選択肢とみられる。果たして、補強ポイントはどこにあるのか、今季の戦いぶりを振り返った上で推測する。

 一番の狙い目は投手陣だろう。山口を失うことで先発ローテの頭数が1枚減る。井納、石田、今永、久保に加えて助っ人外国人らで穴を埋めていくことが予想されるが、試合を作れるスターターは何人いても問題はない。中継ぎも勝ちパターンの須田、田中健、三上、山崎康に新外国人のパットンと頭数は揃うが、須田は故障、田中健、三上、山崎康と不振で調子を落とす時期もあっただけに狙いの一つではある。

 加えて、今季の終盤に中継ぎで起用し、ラミレス監督が「来季の起用は状況を見て考えたい」と話している期待の3年目左腕・砂田を先発に専念させるプランも可能になる。

 その点で、プロテクトの当落選上とみられる選手で最も大物といえる西村は有力候補。長年セットアッパーとして活躍した13年のセーブ王は最近2年、調子を落としているが、実績は十分だ。また、将来性を考えれば5年目の今村、3年目の平良も先発候補として狙い目といえるだろう。

野手ではセカンドとサードが狙い目、中井らが候補に

 次に考えられるのが、内野手だろう。特に、ポイントとなるのがセカンド、サードだ。今季はシーズン中盤から定着した宮崎を両ポジションで主に起用してきたが、右肘手術明けの石川、5月に加入した助っ人エリアンはレギュラーを固定するに至らず。ヤクルトを戦力外となったセカンド候補の田中浩、BCリーグ石川からサード候補のシリアコを獲得したがレギュラー級の活躍ができるかは不透明で、さらに戦力に厚みを与えたいところではある。

 内野で狙い目となるのは中井、藤村の中堅組、若手では吉川大、和田、辻あたりだろう。大穴で近年、出場機会に恵まれていない片岡がプロテクト漏れすれば、獲得に動く可能性は十分にある。

 一方、可能性が薄いとみられているのが捕手、外野手だ。捕手はルーキー戸柱が正捕手を掴み、ラミレス監督からの信頼も厚い。控え捕手で見ても高城に加えて、秋季キャンプMVPに選ばれた嶺井と揃っている。仮に実績十分の実松、相川、若手の宇佐見らがプロテクト外となっても、投手、野手の優先度と比較すると、指名の可能性は低い。

 外野についても同様で、筒香、梶谷と球団の顔とも呼べる両翼に今季はセンターに23歳の桑原が定着。控えにも実績のある荒波、将来性のある関根、乙坂と顔ぶれが揃っている。亀井、松本ら実績ある選手がプロテクト漏れとなっても、指名しないと見られる。

 DeNAの球団幹部は「いい人がいれば、もちろん獲りたい。人的か金銭か、リストが来てからじっくりと考えたい」と話している。過去のFAの歴史を振り返れば、ヤクルト・福地寿樹(08年に石井一久の補償で西武から移籍)が盗塁王を獲得し、最近では広島・一岡竜司(14年に大竹寛の補償で巨人から移籍)が中継ぎでブレイクしたように、狙い次第では十分に戦力になりうるのが人的補償だ。果たして、DeNAはエース流出の窮地をチャンスに変えられるか。決断に注目が集まる。