「主人はそんなこと、やっていません!」

11月25日、目黒区内にあるASKA容疑者(58)の自宅居間では洋子夫人(61)の悲痛な声が響いていた。この日、ASKA容疑者本人からの『盗聴・盗撮されている』という110番通報を受けて碑文谷署から2人の捜査員が自宅へ直行。そこで不審に思った捜査員が任意で尿検査を求めたところ、冒頭のシーンとなったのだ。

「最初はASKA容疑者の隣で捜査員との会話を聞き入っていた洋子さんでしたが、“尿検査”という言葉には強い口調で抗議したの。洋子さんは釈放後の夫を“健康な体を取り戻すまで家族で支えます”と約束していましたからね。しかし、3日後の28日に出た検査結果は“陽性”でした。洋子さんは、ひどく取り乱していたと聞いています」(捜査関係者)

来年4月には結婚30年の“真珠婚”を迎えるはずだったASKA容疑者と洋子さん。2人には元ミュージシャンの長男(28)と元シンガーソングライターの長女(27)がおり、14年9月の有罪判決の後も家族で更生を支えてきた。そんな家族を裏切る2度目の逮捕だった。

振り返れば、家族にとって苦悩の1年だった。ASKA容疑者は1月にブログを開設。だが支離滅裂な内容だったため家族は、東京・八王子市の病院へと強制入院させている。

「洋子さんが“夫をここで更生させなければダメ”と心を鬼にして行ったものでした。しかしそんな思いとは裏腹に、ASKAさんは洋子さんや家族を恨んだ。それでも洋子さんは夫の更生のため、事件と関わりがあった場所を“処理”。昨年は札幌のマンションを売却していましたが、それに続いて夫の書斎も改装。さらには夫に代わって一家を支えられるように、彼女が社長を務める会社の事業拡大の手続きも進めていたのです」(知人)

洋子さんは’02年に個人会社を設立。ペットのアロマセラピーや講演、飲食業経営などを業務内容としていた。しかし今年3月、彼女はその業務内容にホテル・旅館の経営やホテル・旅館の運営オペレーションなどを加え、ホテル観光業に進出することを目指していた。

「洋子さんはアナウンサーでしたから人脈も広い。長女もASKAさんの薬物疑惑が出たことでシンガーソングライターの仕事を辞め、高級ホテルのスタッフとして務めていました。ホテルの知識はそのとき学んでいたと思います。さらに長男も母親といっしょに弁護士のもとを訪れ、父の更生計画を相談。その合間に妹の送迎もこなすなど、奔走していました。そうして家族みんなでASKAさんが回復できるよう準備を進めていました」(音楽関係者)

しかし今年5月になるとASKA容疑者は実家の父に頼み込み、八王子の病院から強引に九州の病院へと転院。そこで1カ月ほど過ごすと、6月には退院してしまった。また退院からほどなくして今度はブログを再開。アルバム制作にも乗り出し、福岡と東京を往復するようになった。都内の家を出て、高級ホテルへと入り浸るようになっていったという。

「奥さんは今年7月に自宅近くのマンションを約5500万円で売却しました。この部屋はASKAさんが家族と離れて音楽制作をするために使っていた場所。『夫を薬物から断ち切らせたい』と考えた末に処分したのです。しかしその結果、ASKAさんは福岡やホテルに逃げ場を求めるようになってしまった。彼女は『家族がどれだけ頑張っても、彼を立ち直らせることができなかった』と悲しみに暮れているそうです。心が折れてしまったいま、離婚という決断は避けられないかもしれません」(前出・音楽関係者)

事業拡大へと動き、不動産も処分していた洋子さん。奇しくもそれらの行動は、今となっては“離婚”という最後の決断を下すための環境を整えるものとなった。

ASKA容疑者は執行猶予中の身でありながら逮捕されたので、前回下された懲役3年の刑に服さなければなりません。また今回は1年6月ほどの実刑判決が下されるでしょうから、合計4年以上の懲役になりそうです。事実上、ASKAさんの音楽家としての復活は絶望的と言わざるを得ないでしょう」(司法記者)