■厳選!2歳馬情報局(2016年版)第27回:ディーグランデ

 競馬に携わる者にとって、大きな夢となるのが"3歳クラシック"のタイトルを獲ることだ。

 今年の3歳牡馬の中で、最初にその栄冠を手にしたのは、ディーマジェスティだった。

 牡馬クラシックの第1弾となるGI皐月賞(中山・芝2000m)。3戦3勝のサトノダイヤモンドやマカヒキ、前年のGI朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)を制したリオンディーズなど、屈指の強豪が集う中、同馬は最後の直線で大外一気の差し切り勝ちを決めた。8番人気の低評価に甘んじながら、憧れのタイトルを見事に奪取したのだった。

 そんな賢兄の後を追うように、ディーマジェスティの全弟となる2歳馬がデビューを間近に控えている。ディーグランデ(牡2歳/父ディープインパクト)である。

 同馬を管理するのは、兄と同じ美浦トレセン(茨城県)の二ノ宮敬宇厩舎。兄の才能を知るスタッフたちは、弟に対してどんな印象を抱いているのだろうか。関東競馬専門紙のトラックマンが語る。

「スタッフからは、『調教で走らせるといいモノを持っている』というコメントが聞こえており、一定の手応えを感じているようです。ディーマジェスティの活躍はもちろん、他の兄姉もコンスタントに勝ち星を挙げており、大ハズレのない血統。兄ほどの活躍を期待するのはまだ早計かと思いますが、この血統の安定感がメリットであることは間違いないでしょう」

 現在のところ、デビュー戦の予定は12月17日(土)の2歳新馬(中山・芝1800m)が本線。ただし、1週前倒しでデビューする可能性もあるようだ。

 ところで、どうしても兄との比較を考えてしまうが、陣営によると、そのイメージとは違ったタイプに映っているようだ。先述のトラックマンがこう明かす。

「ディーマジェスティとは『体のツクリが違う』とのことで、体つきからすると、兄よりもかなり短距離型のようですね。初陣は1800m戦を予定していますが、そこから距離を短くしていく可能性もあるとのこと。また、兄は重厚さがありますが、弟はもっと素軽いタイプみたいです」

 ディーマジェスティは中距離を得意としているが、実はこの血統をみると、短距離型の兄姉も多い。例えば、全姉のホクラニミサや、アドマイヤムーン産駒の兄セイクレットレーヴらは、1600m以下のレースを中心に使われ、そこで結果を残してきている。そう考えると、ディーグランデが短距離にシフトしていく可能性は大いにありそうだ。

 とはいえ、この血統特有の安定感は受け継がれているはずで、幅広い距離適性を示してもおかしくない。デビュー戦の走り次第では、皐月賞馬の兄ディーマジェスティ同様、クラシック戦線を歩んでいくかもしれない。

 まもなく訪れるデビュー戦に注目である。

河合力●文 text by Kawai Chikara