※本記事は、2015/6/29に投稿されたTechAcademyマガジンからの転載記事である。


本記事は、非エンジニアサミット「プログラミングをシゴトにする」の第5回イベントレポートである。このイベントは、これからプログラミングの学習を始める人を対象に開かれたものだ。

クラウドワークスCTOの大場氏、Fablicの堀井氏の講演に始まり、第2回では「エンジニアになるために必要なこと」について、第3回では「エンジニアとして働くときに求められるもの」について、第4回では「エンジニアとしてさらにスキルアップするために取るべき行動」についてなど、参加者がこれからエンジニアになっていくことを想定し、段階的に求められる資質や行動とはなにかについて伝えてきた。

本記事は、上記のテーマで行われたディスカッションの後、会場でおこなわれた質疑応答の様子をお伝えする。


「これからのエンジニアに必要なスキル」とは

  1. エンジニアになる前の段階
  2. エンジニアとして働く段階
  3. エンジニアとしてさらにスキルアップする段階

 

質疑応答

村田:ここからは会場からの質問を受け付けたいと思います。

Q. 大場さんにお伺いしたいのですが、ご自身が英語情報で技術をキャッチアップするために気をつけられていることや、社内の方に英語の情報をキャッチアップするためにどんなことをしているのか教えていただけますでしょうか。

大場:今やっていることでいうと、オープンソースコミュニティがだいたい英語ベースになっています。日本人しかエンジニアがいないプロダクトでもコミットとかは英語じゃないと受け付けない感じだったりします。

社内に関しては、こうしないとみたいなものは今はないのですが、今週の気になる技術みたいなのを社内のGitHubにスレを立てて共有して、みんなが気になった技術は突っ込むようにしています。そういうときに情報ソースが英語のものがたくさんあるので、おのずと危機感が醸成されればと思っています。

村田:他のご質問はいかがでしょうか?

Q. エンジニアが少なくて採用が大変だみたいなことを何かで読んだのですが、雇われる側としてどう感じておられるかということと、あと村田さんは育てる側としてどう思われるか教えていただけますでしょうか?

村田:まず育てる側の僕の方から話をさせていただきますね。

まず、エンジニアが足りてないところは事実です。エンジニアの採用が難しいっていうのは、そもそもマーケットに人材が少ないから取り合いになってるっていうのが1つあります。あとは、統計的にもアメリカでは2020年には100万人エンジニアが足りなくなると言われています。日本でも2020年には20〜30万人ぐらいは足りなくなる、と言われています。インターネットを使ったビジネスはすごい盛り上がって市場も拡大しているのに、そこで働く人が増えていなければ足りなくなりますよね。

僕らはそれをエンジニアを増やすことで解決したいと思っています。エンジニアになりたいという方は多いと思っていて、それでも増えないのは仕組みの問題もあると思っています。それが解決できる仕組みがあれば、人が足りないということに対してひとつの力になれるんじゃないかなと。

エンジニアが足りないということに対して、大場さんはいかがでしょうか?

大場:エンジニアが足りないと言ってる会社も、2種類あるかなと思っています。

1つはよくよく聞いてみると、あまりエンジニアを大切にするような文化がなくてエンジニアが定着しない会社です。そういう会社の方は、「来てくれても半年くらいで辞めるから、辞めると思ってアウトソースすればいい」といったことを仰る場合もあります。こういったことが負の循環になって常にエンジニアが足りないことが常態化してしまう。

僕らみたいなエンジニアリングの重要性を理解していて、Webサービス中心の会社だとまったく事情は違っていて、サービスの成長にともなって、さらに成長させるためにエンジニアは、明確に足りていなくてまだまだ必要だと思っています。TechAcademyさんみたいな取り組みでエンジニアが増えていくのはこれからの日本にはものすごい必要だなと思っています。

堀井:ベンチャーで最近伸びているサービスであれば、やっぱりどうしても人が必要になってきて、実際に弊社でもエンジニアは常にどの職種も募集しています。私もベンチャーの友達とか知り合いも多くて起業する人もいるのですが、その立ち上げにはやっぱりそれなりにWebのことがわかる人がどうしても欲しくなるんですけど、そういうスキルの高い人たちは大手であるとか名の知れた会社とかに勤めています。

そもそもその会社からあまり転職市場に出てこないというのは肌感としてはあるので、僕らみたいなベンチャーはいかにいい人たちを見つけて会社のことを知ってもらって、採用につなげるかについていつも苦労しています。なので、需要はかなりあると認識しています。

村田:最後に付け加えますね。プログラミングを習い事の視点でみると、換金性の高い習い事だと思うんですね。というのも、例えば10万円払って勉強してプログラミングが習得できれば10万円以上稼げると思うんですね。もちろんクラウドワークスさんのようなクラウドソーシングサービスで仕事を探してそれに応募して自分で遠隔の仕事をするのも一つだと思いますし、自分でメディアを立ち上げるのというのも一つでしょうし。そういった意味でも企業に入るだけじゃなくて働く方法はいくつかあると思います。

村田:お時間になりましたので、最後にこの会の締めくくりということで「これからプログラミングを学習するみなさんへのメッセージ」をお二方からお願いします。まずは堀井さんお願いします。

堀井:私も最初はプログラミング初心者だったんですけど、いろいろ学びながら実際にものづくりができるようになりました。最初はハードルの高い部分もあるのかなと思いますが、楽しみながら学んでいくと自分の可能性も広がって、キャリアを積む上でもいい経験だと思います。ぜひみなさんがんばって欲しいです。プログラミングは楽しいです。

大場:僕からは作るだけじゃなくて問題解決していこうみたいな話もしましたけれども、一方で何かを作り出す・生み出すということは本質的に楽しいことだなと思っています。例えば、快適に作るための環境を整えることに丸一日費やすとか、自分のエディタの設定とか、これだから開発しやすいみたいなことを考えながらものづくりを純粋に楽しむところも実際にあるんですね。

そういった気持ちってなかなか社会人になってしまうと忘れてしまったり、思い出せなかったりとかあると思います。今だと、エンジニアになろうみたいなフェーズだといくらでも失敗できるので、何度も作ったり壊したりしながら、ぜひものづくりの楽しみというところを大切にエンジニアを目指していただければなと思いました。

村田:堀井さん、大場さん今日はどうもありがとうございました。


イベントレポートは以上です。TechAcademyでは、これからもプログラミング学習者のためのイベントを開催していきます。

 

TechAcademyマガジン 編集部
[原文4]