昨今大盛り上がりのウイスキー。となればウチでも飲みたいと思うのが人情だ。でも実際、どのウイスキーを選んで、どう飲めばいいかは分からない…。

そこで今回は、個性も多彩なウイスキーを、各々に適した飲み方で楽しむ方法をプロに教わった。面倒な手間は一切不要。さぁ、今週末の連休は最高の一杯で乾杯と行こう!


自由に飲んで楽しい。それがウイスキーの魅力

「高価なものはまずストレートで、と思いますが、この銘柄だから……なんてルールはありません」

心強いアドバイスをしてくれたのはスコッチだけで2,000本という『水楢佳寿久』の塩沢雅明氏。そのままでもソーダで割っても楽しめるウイスキーは、世界で一番簡単な酒。楽しみ方は無限大だ。

「どの飲み方でも、グラスは重厚感のある方がウイスキーには合います。今回は8種の飲み方をご提案しましたが、水や炭酸の産地にこだわるだけでも、バリエーションはもっと広がる」

そこにハマる魅力がありそうだ。



ショットグラスでストレート

家飲みお手軽度:★★★★★


「男性的ともいえる強い個性を存分に楽しむためにもストレートで」。ショットグラスを選択したのは「口のすぼまったスニフターと比べ、香りの伝わり方が優しいから」



ショットグラスでストレートなら個性的な「ラガヴーリン 16年」

「スモーキーなピート香で知られるアイラ島のシングルモルトですが、特にクセの強い方です」。2016年で創業200周年という節目の年を迎えたこともあってセレクト。

「オーク樽で16年がレギュラーですから、ほどよい熟成感もある」。海藻を思わせる香味も口いっぱい広がる。

MHDディアジオ モエ ヘネシー/TEL:03-5217-9735




オン・ザ・ロック

家飲みお手軽度:★★★★★


繊細な味わいで甘みもあり、滑らか。「自分のペースで飲め、味わいの変化も楽しめるロックがお薦め」。自宅で作る際は氷を先に入れてから静かにウイスキーを注ぐ。



オン・ザ・ロックなら余韻が続く「シーバスリーガル ミズナラ 12年」

世界的に知られる有名なブレンデッドで、このミズナラはマスターブレンダーが日本のファンのためにブレンドした「日本限定販売」。日本原産の希少なミズナラの樽を仕上げに使用。

「樽由来の独特な香りがあり、香木のキャラにも似る」。フィニッシュは滑らかで余韻も長い。

ペルノ・リカール・ジャパン/TEL:03-5802-2671


えっ!たったそれだけで?と驚く目からうろこな飲み方



オン・ザ・スモールロック

家飲みお手軽度:★★★★★


スニフターに注ぎ、1cm角ほどの小さな氷だけ入れて楽しむ新提案で「この程度の加水と冷却で香味が劇的に変わることも」。実力をしっかり受け止めるための飲み方。



オン・ザ・スモールロックなら最高峰の「ザ・マッカラン 18年」

多くの蒸留所が集まるスペイサイドを代表するシングルモルト。

熟成用にシェリー酒のオーク樽を厳選して仕入れているが、そのため「味わいは非常にリッチ。18年も高価ですが、この味わいなら逆に値頃感もあると思ってしまう」。プロも高く評価する美味しさなのだ。

サントリーお客様センター/TEL:0120-139-310




水割り

家飲みお手軽度:★★★★★


飲みやすい水割りがお薦め。「酒質にもよりますが、これは水3に対し、1の割合がいい」。氷はお好みで。別の容器で合わせてからグラスに注ぐと一体感も楽しめる。



水割りなら比較的クセの少ない「クライゲラキ13年」

「比較的クセの少ないスペイサイドのシングルモルトですが、なかでもこれは非常に初心者向き」。

ワームタブでの冷却・液化の工程と、オイルヒーティングといった技術から造られる原料モルトに特徴あり。「麦の甘みが強く感じられ、我々が言うところの“モルティ”な味」。

バカルディ・ジャパン/TEL:03-5843-0671




ワンドロップ水割り

家飲みお手軽度:★★★★☆


「蒸留所では1:1のトワイスアップが基本ですが」と断わりつつ教えてくれたのがスポイトなどを使って一滴ずつ水を垂らす方法。「香味の広がりが繊細に楽しめる」



ワンドロップ水割りなら香り豊かな「白州」

北に八ヶ岳、西に甲斐駒ケ岳という深い森と清流に恵まれた白州蒸留所で醸される。ほのかなスモーキーフレーバーも特徴で、多彩な原酒をブレンドするため、複雑さや奥行きも感じる味わい。

蒸留所の環境を思い起こさせるフレッシュな香り、軽快なキレも楽しめる。

サントリーお客様センター/TEL:0120-139-310


いよいよ大好きな炭酸割の極意を伝授



レモンソーダ割

家飲みお手軽度:★★★☆☆


「マスターブレンダーが提唱する」飲み方でまずは氷でグラスを冷やし、仕上げのレモンはたっぷり。「あらかじめボトルも冷やしておくといい」。ソーダの量はお好み。



レモンソーダ割りならライトで飲みやすい「ジョニーウォーカー レッドラベル」

1820年、スコットランドで誕生したブレンデッドで、19世紀後半から不変のボトルは誰もが知るウイスキーアイコンだ。

「最もリーズナブルなレッドラベルはライトで飲みやすい。クセのある原酒も上手にブレンドしていますから独特の香味も楽しめます」。入門編に最適だ。

キリンビールお客様相談室/TEL:0120-111-560




ライムジンジャー割

家飲みお手軽度:★★★☆☆


ジンジャーエールで割り、たっぷりのライムを搾る飲み方は「現地の蒸留所ツアーで最後に提供されるスタイル」。蒸留所も、気軽に楽しんで欲しいと望んでいるのだ。



ライムジンジャー割ならライトな味わいの「ジェムソン スタンダード」

最も有名なアイルランド産のウイスキーで、何といってもスムーズな味わいが特徴。

「ピート香をつけず、蒸留は三回というのがアイリッシュの特徴。よりライトなウイスキーに仕上がるんです。気軽にグビグビ飲んで欲しい銘柄です」。まろやかな香りも初心者には嬉しいところだ。

ペルノ・リカール・ジャパン/TEL:03-5802-2671




簡単ミントジュレップ

家飲みお手軽度:★★☆☆☆


氷で冷やしたグラスにミントを入れて攪拌、バーボンとソーダを注いで。「ケンタッキーダービーで振る舞われる名物の簡易版」。ウイスキーは文化まで味わえるのだ。



簡単ミントジュレップなら小麦バーボンの「メーカーズマーク」

トウモロコシを主原料に、ライ麦など加えて造られるアメリカのバーボンだが、メーカーズマークはライ麦の代わりに小麦を使う点が珍しく、「だから、飲みやすい」。

ケンタッキーにある蒸留所がハンドメイドを社是としており、手作業で一品ずつ臘で封をするボトルはその象徴。

サントリーお客様センター/TEL:0120-139-310



教えてくれたBARは『水楢佳寿久』

ウイスキーの魅力を様々な角度から発信


ウイスキーに使われる希少な樽が店名の由来。その水楢はカウンターなどに使われており、優美。肴から食事まで料理が充実するのも特筆すべき点で、飲むだけ、食べて飲む、思い思いのスタイルでウイスキーが楽しめる。