オシャレなハゲの見せ方も熟知しているんです(画像はイメージです)。

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ネットでときどき見かける疑問、「美容師にはなぜハゲがいないのか」。

言われてみると、確かに自分も見たことがない気がする。

美容師さんならではのヘアケア術があるのか、あるいは「力士のまげが結えなくなったら引退」などと都市伝説的(?)に言われるのと同じく、美容師さんもハゲたら引退とか? そんなわけないか……。
美容師さんたちに聞いてみた。

「ハゲてる美容師はいない」と思う理由


「美容師にハゲがいないなんて、単なるイメージだと思いますよ。ただ目立たないようにうまくセットしているだけなのでは? それと、薄くなってくると、スキンヘッドにしている人は多いですね。ずっと帽子をかぶっている人もけっこういます」と言うのは、都内の40代男性美容師さん。
ちなみに、美容師学校の同窓会をときどきやっているそうだが、最近集まったメンバー20名弱のうち、半分くらいは薄くなったり、ハゲたりしていたと言う。
「美容師対象の新商品説明会などもあるんですが、実際、集まっている美容師の半分とまではいかないにしても、3分の1くらいはハゲているか、薄くなっていましたよ」(40代男性美容師)

また、「サンプル数」の少なさを指摘する声もあった。
「女性の場合、ネット予約やクーポンなどでいろいろな美容院を転々とする人もいますが、たいていは決まった店に通いますよね。すると、自分の知っている美容師がハゲてないと、『ハゲてる美容師を見たことがない』ということになるだけでは?」(40代男性美容師)
美容師さんの中で髪が増えた人もいるそうだが、
「何か特別なケアとかしたわけじゃなく、育毛剤で増えた人や、AGA治療薬を使った人とか、普通の方法でしたよ」と言う。

一方で、こんな意見も。
「美容師は、シャンプーを頻繁にすることなどから、どうしても手荒れが過酷な仕事です。若いうちに手荒れで悩んで辞めてしまう人もいます。そのために、長く続けている人が限られることもあり、ハゲている人が少ないというのはあるかも」(30代男性美容師)

美容師のテクニックでごまかしているだけ?


また、40代の女性美容師さんにこの質問をしたところ、いきなり笑い出した。その理由については、次のように話す。
「なぜなら……ハゲ、いますよ!? しかも、たくさん!(笑) ただ、ハゲが目立たない髪型とか、ごまかし方とか、すごく上手いんだと思いますよ。内田裕也がハゲかとか、竹中直人がハゲとか、あんまり気にならないのと一緒で、上手いこと、雰囲気やキャラでカバーしていたり、美容師の技を駆使していたりするのでは?」

では、「美容師の技」とは具体的にどういうものなのだろうか。
「あっちの髪をこっちに持って来たり、ふわふわさせたり。友人の場合、ツーブロックの上の長い毛にパーマをかけて、それをしばって、前に倒して、1番薄いところでふわふわさせる作戦を使っているそうです。会う人会う人に『お前の髪型は、どういう仕組みになってるんだ?』と聞かれるらしいですよ」
基本的な考え方は「バーコード」ながら、美容師さんのテクニックによって、オシャレにふわふわさせるのがコツということか。

美容師さんにハゲがいないというのは、やっぱり幻想。しかし、ごまかし方には、素人にマネできない技が総動員されているようだ。
(田幸和歌子)