マーリンズ・イチロー【写真:Getty Images】

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米メディア特集「なぜイチローは復活?」、昨季から成績が大幅に改善した理由は…

 マーリンズのイチロー外野手は17日(日本時間18日)の敵地フィリーズ戦に「2番・右翼」で先発出場し、4打数無安打に終わった。この日はマーリンズ打線がわずか3安打と苦しみ、0-8で完敗。イチローには10打席連続でヒットが出ていないものの、自己ワーストの成績に終わった昨季からの“復調”に対する高い評価は変わらない。米メディア「SBネーション」では「イチローはいまだに素晴らしい」と題した特集記事を掲載し、今季の打球の「ライナー率」がキャリア最高の数字を記録していることなどを伝えている。

 特集では、昨季のイチローについて「最悪のシーズンを過ごした」と紹介。シーズン91安打とメジャー15年目で初めて100安打に届かず、打率は.229に低迷。出塁率.282、長打率.279などの数値も悪く、三振数(51)の増加も地元メディアで指摘されていた。

 ただ、今季はあらゆる成績が“回復”。打率はフィリーズ戦で再び3割を切った(.297)ものの、昨季よりも7分近く上がっており、出塁率.362、長打率.387も上昇。「イチローは第4の外野手として2016年のシーズンを迎えた。先発出場は限られたものだったが、現在、先発出場の機会が増えてきている。2015年とは異なり、イチローは活躍している」。記事ではこのように言及し、出塁率や長打率が「2010年のシーズン以降で最高の数字だ」としている。

「なぜ、イチローは復活を遂げたのか」。特集では、その理由を分析。「イチローマリナーズにいた頃、彼は常に模範的な打者であったし、ファストボールを打ち返すことができた。2016年、彼は両方のことをやってのけている」。特に、ボール球に対するスイング率と速球への対応を示す数値に大幅な改善が見られるという。

「打球を強く叩く率」、「ライナー率」が大幅に上昇

「彼は26.6%のボール球にしか手を出していない。2007年から最高の数字だ。四球率は2番目に高い数字を誇っている。ファストボールに対する対応を示す数値は5.1(2009年以降最高の数字)であり、2015年には-15.9まで落ち込んでいた(このスタッツの平均は0で、範囲は20から-20)。これは2009年以降、イチローはファストボールを最もよく打てているということだ」

 記事では、他にも昨季から大幅に改善した数値をいくつか紹介している。中でも、「打球を強く叩く率」は昨季の13.5%から22.2%へと上昇。2007年以来の高い数字だという。また、「ライナー率」は昨季の18.3%から28.6%へと上がっており、これはキャリア最高の数値だとしている。

 あらゆる成績で、42歳での“進化”を証明しているイチロー。プレーオフ進出に向けて厳しい戦いが続いているが、チームのために自分の仕事をこなしていく姿勢に変わりはない。