幅広い役柄を求められるのは「当然のこと!」



――改めて、「東京」という街は瀬戸さんにとってどんな場所ですか?

「仕事の場所」って感じですね…。

――すでにデビューから10年以上ですから、人生の中でも3分の1以上を東京で過ごしてますが…。

そういう意味で、大きく「東京」とくくると仕事の場所ですが、実際に自分が住んでいる地域に関しては、福岡の地元に対するのと同じような思いは感じるところはありますね。

――東京に対する苦手意識は…。

いまだにあるとは思いますよ。何がと言われてもわからないけど、いまでもどこかで受け入れられない思いというか…まあ地元が僕にとっては一番ということなんですよね。

――10代で上京される以前に、東京に対する憧れはなかったんですか?

まったくなかったですね。「仕事のために東京に行かなきゃ…」って気持ち(苦笑)。もともと、母親がオーディションの書類を送って、それにたまたま受かっちゃったので、行くしかないってなって…。




――超受動的上京(笑)。

僕は長男で、しかも男は僕ひとり。九州の地域性なのか、どこかでやっぱり「家を守らなきゃ」って意識はあったんですよね。それなのに、福岡から東京に息子を上京させてしまう親の覚悟ってすごいなと。「頑張らんといけんなぁ」って思いましたね。

――当時、10代にしてその親の覚悟を受け止めているということがすごいです。そうなると「ちょっと東京に」という軽い気持ちにはなりませんよね。

本当に東京なんて行きたくなかったですもん、当時は(笑)。

――それでも上京し、デビューして10年以上が過ぎました。いま、これだけいろんな作品で、まったくタイプの異なる役柄を次々と求められる状況を、ご自身はどう受け止めていますか?

仕事があることは幸せですし、ありがたいです。ただ、いろんな役が回ってくるというのは、当然かなと思ってます。語弊があるかもしれないですが、この年齢になって、いろんな役ができるようになっていないといけないと。あっち(=製作陣)からも「できるでしょ? 当然でしょ?」という空気を感じるので(苦笑)、それに応えなきゃというプレッシャーはありますけど…。

――仕事への向き合い方や意識の変化はありますか?

大きく変わったのは、さっきの上京の話じゃないですが、受身の姿勢から、積極的に動いて自分から仕掛ける気持ちになったというところですね。以前は、来た仕事を「はい、やります」って現場に行って終わって…という感じでしたが、その「やります」の中に、闘争心がプラスされた気がします。




――そうした意識の変化が生まれたのは…?

「これが自分の一生の仕事だ!」と思えるようになったからじゃないですかね? 親に勧められて始めた仕事で、変な話、それまでは親の夢だったけど、それが自分の夢に変わったんですよね。「これ」というきっかけがあったわけではなく、徐々にそうなってきました。やっぱり、「やらされている」「やらなきゃ」という義務ではなく、「やりたくてやってる」という意識が大事だなと感じます。

――お話を伺っていても随所に感じますし、これまでもいろんな取材などで語られていますが、素顔は男気あふれる九州男児なんだなと…。

いや、それ別に自分で言ってはいないですからね!(苦笑)

――本来、素の部分は作品とは関係ないものですが、『HOPE〜期待ゼロの新入社員〜』(フジテレビ系)のクールだけど熱いものを秘めた新人商社マン・桐明から『グレーテルのかまど』(Eテレ)の十五代ヘンゼルまで、いろんな役を演じられているのを見ると、瀬戸さん自身、素の自分とのギャップを楽しんでそうだなと感じます。

意識はしてませんが(笑)、でもメチャクチャ楽しいですね、いまは。ただ、自分で成長したという感覚はなくて…。10代よりも顔がシュッとしてきたなとは思いますが、心の成長って本当に少しずつだから、なかなかわかんないですよね。



焦らず自分のペースで30代を見据える



――あと1年半ほどで30歳を迎えます。

おじさんですね(笑)。まあ、焦ってもしょうがないんで、自分のペースでやっていけたらと思います。

――周囲の同世代の存在は気になりますか?

メチャメチャ気になりますよ! それでも「自分は自分、他人は他人」と思わないとつらいですからね。

――それこそ、若い頃は横一線で、みんな学生役を演じていたのが、この年齢になると、ひとりひとりの個性がより際立ってきますね。

それはその人の頑張った結果ですよね。もし、自分が誰かに差をつけられていると感じたなら、それは自分の頑張りが足りなかったり、いろんなタイミングがまだだったり、運が足りなかったりしたということ。あまり、前のめりになりすぎると周りが見えなくなって、おかしな方向に走っちゃう気がするので、焦らずに歩みを止めて、フワッと周りを見るようにしています。



――いま、これだけ作品や稽古が続いている中で、オンとオフの切り替えで大切にしていることなどはありますか?

あんまり裏表がないというか、普段からオフもこんな感じです。どんな感じかというと(笑)、あんまり騒々しい場所やパーティーとかに行くでもなく、はっちゃけることもなく…まあ、酔えばいい感じになりますが(笑)、冷静に周りを俯瞰して見てる感じです。あまり、役柄がプライベートに侵食してきて…ということもないですしね。

――休みの日の楽しみなどは?

あ、それこそ、東京のいいところは、意外と緑や公園が多いんですよね。定期的に行って、森林浴とかしてます。ずっと緑の多い環境で育ってきたから、家にいてもなかなか休まらないときがあって、そういうときは緑に触れてボーっとしてます。

――その冷静さ、落ち着きぶりってわりと昔からなんでしょうか?

長男だからですかね?(笑) しかもひとりで東京に出てきて、早くから仕事してますしね。自然とこういう風になったんだと思います(笑)。



【プロフィール】
瀬戸康史(せと・こうじ)/1988年5月18日生まれ。福岡県出身。A型。2005年俳優デビュー。NHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』『花燃ゆ』、舞台『マーキュリー・ファー』、主演映画『合葬』などで演技力を評価される。NHK連続テレビ小説『あさが来た』の好演に続き、『私、結婚できないんじゃなくて、しないんです』(TBS系)ではフェアリー男子を演じ、注目を集めた。『HOPE〜期待ゼロの新入社員〜』(フジテレビ系)のエリートにして、主人公のライバルである桐明真司役など、幅広い役柄で活躍。17年2月の東京公演を皮切りに上演される舞台『陥没』への出演も控えている。
【ブログ】http://ameblo.jp/koji-seto-we/
【Twitter】@koji_seto0518


■『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参』
【東京】
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@岩手県民会館 大ホール
【仙台】
2016年12月3日(土)・4日(日)
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▼詳細は公式HPにアクセス!
https://setagaya-pt.jp/performances/20161031toono.html


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■応募方法:ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT


■受付期間:2016年9月17日(土)12:00〜9月23日(金)12:00

■当選者確定フロー
・当選者発表日/9月26日(月)
・当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し)のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
・当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから9月26日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただきます。9月29日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。

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