ブンデスリーガは第2節にして波乱が起きた。ドルトムントが、今季初めて1部に昇格したライプツィヒに0−1で敗れたのだ。ライプツィヒのラルフ・ハーゼンヒュッテル監督は大金星に、「ドルトムント相手に勝とうと思ったら、すべてがうまくいかなくてはならない」と、試合を振り返った。

 ライプツィヒは、レッドブルが運営する世界で4つ目のサッカークラブ(南野拓実が所属するオーストリアのザルツブルクもそのひとつ)で、ここ数年、快進撃を続けてきた。2009年にレッドブルが買収した当時は5部だったのが、わずか8シーズン目にして1部に到達。3部と2部は1年しか滞在せずに、一気に駆け上がってきた。

 今季は1部に昇格したことで、集中的な強化が行なわれるのではないかと注目されていた。夏の移籍期限終了間際には、レバークーゼンからDFキリアコス・パパドプーロスを獲得。内田篤人と同時期にシャルケに入団した選手である。

 ライプツィヒは開幕戦でもアウェーでホッフェンハイムと引き分けている。そのサッカーは守備に人数を割いて少ない人数で攻撃するスタイルではなく、積極的にボールを奪い攻撃を仕掛けるもの。弱者のサッカーではなく、躍動感がある。

 データを見てみても、シュート数は10本で8本のドルトムントを上回り、走行距離もライプツィヒの115.76キロに対しドルトムントは110キロ。支配率こそ34パーセント対66パーセントと大差をつけられたが、決して見劣りしなかった。

 一方、ドルトムントは攻撃が機能しなかった。1トップはオーバメヤン。2列目にゴンサロ・カストロ、マリオ・ゲッツェ、アンドレ・シュールレを並べたが、オーバメヤンのスピードを生かし切れず、停滞した。特にゲッツェと他の攻撃陣がワンテンポ合わず、フィニッシュにいかないシーンも見られた。

 また、トーマス・トゥヘル監督は中盤の守備にも問題があったと苛立ち気味に語った。ダブルボランチはユリアン・ヴァイグルとセバスティアン・ローデ。チームがボール保持している際は、ローデが最終ラインに入ってサイドバックを押し上げるのだが、負担が大きかったのかもしれない。

 そして何より感じられたのはマッツ・フンメルスの抜けた穴の大きさだった。89分の失点は、そのフンメルスの代役として獲得されたマルク・バルトラのクリアを拾われたところから始まった。

 トゥヘルの焦りを感じさせるシーンもいくつかあった。後半、ドルトムントはロッカールームからピッチに戻るのがライプツィヒに比べて極めて遅く、場内からはブーイングが浴びせられた。ドルトムントにしては珍しいことだ。ベンチ前でボールを拾ったトゥヘルが、相手選手にわざとゆっくり返すという大人気ないシーンもあった。昇格チームと互角の戦いを演じていることへの苛立ちがあったのだろう。

 この試合、香川真司は足首の負傷でベンチメンバーから外れた。時差など体調面も考慮されたのだろう。前線の選手補強により、シーズン前にはその立場が危ういかと思われた香川だが、現在のチーム状況、特にゲッツェの調子を見ていると、決してそんなことはなさそうだ。

 トゥヘル監督はこの日の敗戦を「それほど大げさに捉えてはいない。次に向けて切り替える」と、前を向いた。

 中3日で行なわれるチャンピオンズリーグ初戦レギア・ワルシャワ戦。過密日程が始まる中で、ドルトムントはどのように自分たちのベストの形を見出していくのか。まだまだ道半ば、といったところだ。

了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko