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田舎のコンビニに長時間車を停めていたらフロントガラスに注意書きを貼られたーー。店側の対応に憤る男性の投稿がネット掲示板で議論となった。

男性が利用したは田舎のコンビニの駐車場に4時間ほど駐車した。用事をすませ車に戻ると、フロントガラスに注意書きの張り紙が貼られていた。貼り付けたセロテープ跡がフロントガラス残ったとして、投稿者は怒っている。投稿者に対しては、「自業自得」などのコメントが寄せられているが、駐車場は広く、ガラガラだったので投稿者は納得しない様子だ。

コンビニを利用する以外の目的で駐車することは、法的に問題ないのだろうか。大久保誠弁護士に聞いた。

●賠償を求められる可能性

「コンビニの駐車場は、広く一般の車両が駐車をすることを許容する無料の公共の駐車場ではありません。

あくまでコンビニ経営者が所有あるいは管理する土地に、コンビニを利用するお客様に限って無料で駐車することが許されるに過ぎません。

したがって、短時間であれば別ですが、駐車場がガラガラで空いていたとしても、4時間もの長時間にわたって駐車するのは許されません。

このような無断での長時間による駐車は、法律的には不法行為(民法709条)にあたり、管理者から賠償を求められる可能性があります」

駐車場の中には、「無断駐車は罰金●●円」などの張り紙がしているところもあるが、こうした張り紙があった場合、張り紙に提示してある額を支払う必要があるのだろうか。

「仮にそうした張り紙があったとしても、賠償額は張り紙に書かれた金額そのものではないと考えられます。

こうした張り紙を、法的には、『損害賠償額の予定』と考えることができますが、そもそも駐車した人が張り紙に気づかなかったのであれば、合意は成立していませんし、張り紙を見ただけで合意があったといえるかは難しいからです。

また、仮に合意があったと仮定して、実際の損害をはるかに超える額を張り紙に明示したとしても、公序良俗に反しているとして無効になる可能性が高いです」

では、店側の請求する賠償はどのように算定されるのか。

「近隣の駐車場の駐車料金の相場に相当する金額です。仮に、相場が1時間1000円とすれば1時間あたり1000円が賠償額となるでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
大久保 誠(おおくぼ・まこと)弁護士
ホームページのトップページに写真を掲載しているように、野球が趣味です。
事務所名:大久保法律事務所
事務所URL:http://www.ookubolaw.com/