ラーメン好きはココに気をつけて!

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執筆:山本 ともよ(管理栄養士)

ラーメンを食べた後に罪悪感を覚えたことありませんか?例えばお酒を飲んだ後だとか…。「身体にあまり良くない」というイメージがラーメンにはあるようです。

でもその一方、博報堂生活総研による好きな料理調査の結果でのラーメンの順位は、1994年は7位、2004年は4位、2014年は3位と、人気は右肩上がり。

ラーメン屋の店舗数もメニューの種類も年々増えて、国民食のラーメン。本当にラーメンって「身体に良くない」のでしょうか?ご一緒に見ていきましょう。

実はメニューによって栄養価の違いが!

実際にラーメンの栄養価の特徴を見ていきましょう。
理想とされる栄養バランスは、下記のとおり。

<3大栄養素の割合>

・炭水化物:50〜70%
・たんぱく質:9〜20%
・脂質:20〜25%

これらが「良いバランスの目安」です。

そのうえで、醤油ラーメンを見てみます。

・炭水化物:70%
・たんぱく質:20%
・脂質:10%

炭水化物が多く、脂質が少ない傾向が。ただし、麺の量やスープ、具材によって大きく異なります。
麺大盛りとなれば、さらに炭水化物の割合が増え、豚骨スープや背脂入り、肉厚なチャーシュー……となれば、脂質の割合はもっと増えていきます。

ちなみに、昔ながらのシンプルな醤油ラーメン、味噌ラーメン、塩ラーメン、豚骨ラーメンは、1杯おおよそ500〜800kcal。

山盛り・こってり系のラーメンでは、2000kcalにまで及ぶことも!これでは1杯で1日分のカロリーを全部摂ってしまいます。
あるお店のこってり系ラーメンは、約1600kcalです。

・炭水化物:28%
・たんぱく質:12%
・脂質:60%

醤油ラーメンとは異なり、脂質が大半を占めています。

カップラーメンはどうでしょう?

・炭水化物:50%
・たんぱく質:10%
・脂質:40%

麺を揚げていて、具材が少ないため、タンパク質が少なく、脂質が多い傾向があります。では、以上を踏まえて気になる点を述べていきます。

ラーメンで気をつけたいポイント!

・ビタミン・ミネラル・食物繊維が不足


健康を維持する上で重要となるこれらの栄養素はラーメン全般を通して不足しがち。1食で摂って欲しい量の半分程度です。

・塩分が多すぎる


成人1日の塩分摂取量の目標は、男性は8g、女性は7gです。
ラーメンはスープを含めて平均で5〜8g。中には10g以上のものもあります。これだけで1日の目標量を越してしまうのです。塩分を摂り過ぎると、むくみの原因になります。

また、その味に慣れたまま、塩分を摂りすぎる生活を続けていると、高血圧や腎臓疾患、胃がんのリスクにつながります。

・噛むことが減る


栄養価とは少し離れますが、噛むことには、ダイエット・消化吸収促進・脳の活性化など、健康な身体を作る上でも重要です。のど越しのいい麺や熱くて柔らかい具材は、自然と噛む回数が減ってしまいます。

ラーメンは食べ方の工夫も必要だと言えますね。

これが「後悔しない」食べ方!

● スープは残す


スープを残せば、塩分や、こってり系の場合は脂質を減らすことができます。塩分は1/2〜1/3程度になります。

● 単品ではなくプラスする


栄養バランスをアップするには、不足しがちなタンパク質やビタミン・ミネラル・食物繊維を、一緒に摂ることが大事です。具の多いメニューを選んだり、またトッピングを追加しましょう。

<タンパク質>
卵、チャーシューなど


<ビタミン・ミネラル・食物繊維>
ワカメ、ノリ、ねぎ、もやし、ほうれん草、キャベツ、きくらげなど

ツナやチキン、豆腐などが入ったサラダを合わせるのもいいですね。カップラーメンでは、お湯を入れるタイミングで、卵や乾燥わかめ、モヤシ、豆苗を加えるのもおすすめです。具を増やすことで噛む回数が増えることにもつながります。

それでもガッツリ系ラーメンが食べたくなったら

そんなときは、たまのご褒美として、エネルギー消費率の高いお昼に食べるのがオススメです。

ただし、その時には、他の食事で、量やバランスの調整することをお忘れなく。

ラーメンが身体に悪いのではなく、上手に選ぶことが大切になってきます。良くない点も理解して、デメリットを補って上手に美味しいラーメンを食べましょう。

<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中