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ネスレ日本が新たに発売するコーヒーマシンは、Bluetoothでスマホアプリと連動させることで様々な使い方が可能になる製品だ。例えば遠方に住む家族がマシンを使ったときに、アプリに知らせが届く“見守り機能”のような使い方もできる。コーヒーマシンのIoT化というユニークな取り組みだが、ネスレ日本は何を狙うのか。

○コーヒーマシンが離れて暮らす家族をつなぐ?

ネスレ日本が10月1日に発売する「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ i(以下、バリスタi)」は、2009年の発売以来、累計で300万台以上を販売している同社の人気コーヒーマシンにBluetooth機能を追加したもの。価格は7,389円(カラーによっては8,315円、税抜き)だ。

バリスタiとアプリの連携で注目なのは、「友達リスト」という機能だ。家族や友人をリストに登録すると、リスト内の人がバリスタiを使ったときにスマホに知らせが届く。遠方に暮らす家族と友達リストでつながっておくことで、いわゆる“見守り機能”をバリスタiに持たせることが可能というわけだ。バリスタiで離れて暮らす家族を見守るためには、当然ながら家族にバリスタiを持っていてもらう必要がある。今後は家族へのプレゼントとしてバリスタiを購入する人が増えるかもしれない。

ネスカフェアンバサダー」という仕組みを普及させることで、職場のコミュニケーション不足を解消しようと注力してきたネスレ日本。バリスタiでは「離れて暮らす家族のコミュニケーション不足を解消」(ネスレ日本の高岡浩三代表取締役社長兼CEO)しようと意気込む。

○IoT化したコーヒーマシンがもたらすものとは

ネスレ日本はコーヒーマシンを普及させて、そのマシンで使用するコーヒー(カートリッジ)を継続的に売ることで収益を得るビジネスモデルを確立させている。IoT機能が受けてバリスタiが更に普及すれば、そこからは新たなコーヒー需要が生まれるため、同社のコーヒー販売事業にも好影響が見込める。

すでに販売済みの300万台を超えるコーヒーマシンもIoT対応型に置き換われば、ネスレ日本にはどのような商機が生まれるだろうか。例えばコーヒーマシン経由で得られるビッグデータが充実すれば、そういったフィードバックを商品開発やマーケティングなどに活用することが可能となるだろう。コーヒーマシンとコーヒー工場もネットでつながってしまえば、必要な分だけコーヒーを作るという効率の良いオペレーションを確立することができるかもしれない。同社がネットで結ばれたコーヒーマシンネットワークをいかに活用していくか。今後も面白いアイデアが出てきそうな取り組みだ。

(藤田真吾)