『美しくなるためのランニング講座』 第8回●夏のランニングを快適に

ランニング初心者の馬場ふみかさん(女優・モデル)がフルマラソン完走を目標にトレーニングを開始! 指導担当は、湘南ベルマーレ・トライアスロンチームの中島靖弘ヘッドコーチ。「楽しく、頑張りすぎない」ランニング講座の第8回。

【プロフィール】
中島靖弘http://www.bellmare.or.jp/triathlon/profile/member.html
湘南ベルマーレ・トライアスロンチーム・ヘッドコーチ。ニューバランスランニングアドバイザー
馬場ふみかhttp://lineblog.me/babafumika/
女優・モデル。新潟県新潟市出身。167cm。

■ランニングウェアひとつで走りが変わる

●快適なウェアを身につけましょう
 ランニングをすると体温が上がり、大量に汗をかくので吸湿速乾性に優れたウェアを選ぶようにしてください。

 肉体にとって体温が上がることが一番ストレスになります。そこで大事になるのが"汗をかくこと"です。

 厳密に言うと、汗をかくから体温が下がるわけではなく、汗が蒸発するときの気化熱により、体内の熱を逃がし、体温が下がるという仕組みです。ただ、日本の夏は非常に蒸し暑いので、汗が蒸発しにくい環境にあります。こういった理由から吸湿速乾性に優れたウェアが必要になるというわけです。

 ひとつマメ知識を紹介すると、走っているとき腕に粒状の汗をかいたとします。それをぬぐって腕全体に広げてあげると体が冷えやすくなるんです。つまり、いかに乾きやすく蒸発しやすい状態を作るかが大事ということです。

 よく夏でもダイエットを目的として厚着で走っている人がいますが、脱水症状も含め、とても危険なのでやめてください。むしろ、それは逆効果で汗をかいても痩せません。体温が上がると身体は動くことをやめようとするので、実は消費カロリーが減るんです。

 それならば涼しい状態を作り出して、体をいっぱい動かしたほうが効果的です。ですから、この季節は体温を下げるようなウェアを着ることを心掛けましょう。

●機能性タイツは脱いだ方がよい
 ここ近年、スパッツを履いて走るランナーが増えました。いわゆる機能性タイツと呼ばれるもので、関節を保護することによる故障防止や、骨盤をサポートして姿勢が崩れないようにしたり、あるいは疲労を軽減するなど目的によりその機能は多岐にわたります。

 非常に便利なものだとは思いますが、私の持論を言わせていただくと、できることならば夏場は脱いでもらいたいんです。単純にスパッツを履いていると体温が上がりやすく、走りに支障をきたす可能性が高くなるからです。

 ただ難しい判断だと思います。効果があるから履いていることも理解できますから、何を優先するかということですよね。

 膝の痛みを軽減したり、筋肉をサポートすることは大切かもしれませんが、スパッツを履いていることで結果的に体温が上がり疲れてしまい、重心が落ちてしまう方が膝に悪い場合もあります。

 以前30度以上になるサイパンでのレースで、初心者の方々にスパッツは履いて来ないでくださいと伝えていたのに、当日履いてくる方が少なからずいました。

 しかし気温の高い中、案の定バテてしまい、途中でリタイヤするかもしれないという事態になりました。私はそこでスパッツを脱ぐことを勧めたところ、急に元気になり、最後まで走ることができました。履くのと履かないのでは、それぐらい差があるんです。ただ、ずっと履いてトレーニングをしてきているので、履いていないと不安だったのでしょう。

 暑い季節は、体温が上がることのリスクの方が高いと私は思います。だって膝が痛くなっても死に至ることはありませんが、熱中症の場合は、最悪亡くなる方もいるわけですね。そこを踏まえ着用するかを考えてもらいたいと思います。

 見た目も、タイツを脱いだほうがカッコよくないですか? 海外の女性ランナーも暑い時期、暑い場所では、このスタイルです!


石塚隆●取材・構成 text by Ishizuka Takashi
衣装協力/ニューバランス