喫煙だけじゃない!意外だけど「肺がんリスクが高まる」NG習慣3つ

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“疲労感が強い”、“食欲が落ちて急に体重が減った”、こんな症状はありませんか?

「食べることを我慢しないで、食欲が落ちて体重が減るなんてラッキー!」多くの女性はそう思うかもしれません。しかし、もしもそれが肺がんの初期症状だとしたら……。

煙草を吸わないから大丈夫だと思われがちな肺がんですが、実は近年非喫煙者の女性の肺がんが増加しています。女性のがんの罹患者の中で最も多いのが乳がん、次いで大腸がん、そしてその次に多いのが肺がんなのです。

そこで今回は、予防医療推進協会理事長を務める筆者が、肺がんリスクを高めるNG習慣をご紹介します。

■初期症状は?

実は肺がんは初期症状が非常に出にくく、出ても強い疲労感や食欲低下、体重の減少や「もしかして風邪?」と思うくらいの咳がでる程度。毎日、忙しく過ごす女性にとってはいちいち気にして検査を受けるほどのことでもないと思いがちな症状が多いのです。

その他には、物が飲み込みにくい、息切れがするほどの咳、痰の量が増える、首や顔が腫れやすくなった……などの症状がありますが、こうした症状が出るころにはすでに中期に入っていることも。

■NG習慣1:定番だけど…喫煙

言わずと知れたことかと思いますが、実は喫煙によってそのリスクが高まるのは肺がんの中でも扁平上皮がんというもの。扁平上皮がんについては喫煙者は非喫煙者に比べて10倍以上にもなります。

その一方、近年増加傾向にある肺腺がんでは男性で2〜2.5倍、女性では1.5倍程度にとどまっているのです。肺腺がんの割合は肺がん全体の男性では40%、女性においては70%を占めているのです。そうはいってもやはりリスクが高まることには変わりないので、喫煙は避けたいものですね。

■NG習慣2:日々、女性ホルモンを増やす努力をしている

女性ホルモンの一種、エストロゲンは肌のキメを整えたり、コラーゲンの維持に役立ったりと女性にとってはうれしい働きがあります。

その一方で、実は日喫煙者の女性に増えている肺腺がんは、エストロゲンの量や濃度が肺がんリスクを高める要因のひとつになっていると考えられているのです。

エストロゲンは肺がんだけでなく、乳がんなど他のがんとの関連も認められているので、エストロゲンを増やすためにサプリメントを長期間飲むなど、過剰な摂取は避けた方がいいでしょう。

■NG習慣3:毎日1時間以上、屋外でジョギングをする

自然豊かで大気汚染の心配が一切ない地域での適度なジョギングであれば、大した問題ではないでしょう。しかし、ジョギングを日課とする人たちの中でどれくらいの人がそのような環境に恵まれているでしょうか? 

大気中にあるPM2.5などの汚染物質は呼吸を止める以外避けようはないものですが、積極的に汚染された空気を大量に吸い込む屋外での有酸素運動はあまりオススメできません。

また、長時間有酸素運動をすることで、吸い込まれた酸素によって活性酸素も過剰につくられてしまい、汚染物質との相乗効果でさらにリスクを高めてしまう可能性も考えられます。

ジムなどの室内で過剰にならない程度のジョギングもしくはウォーキングに切り替えることがオススメです。ときには、ストレス軽減も兼ねて、週末に自然豊かな地域に行ってウォーキングするのもいいかもしれませんね。

肺がんが早期発見されるのは、健康診断などのレントゲンからが多いようです。もし気になる症状があれば早めの受診を。

そして早期発見よりも大切なのは予防ですから、できるだけリスクファクターを少なくしましょう。

【筆者略歴】

SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

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※ Alliance / shutterstock