夏の日差しから髪の毛を守りましょう!

夏はなぜかカラーの退色がはやくなる……。髪の傷みが目立つ……。毎年夏がくる度に、そんな悩みを抱えていませんか?

出典:気象庁ホームページ 「つくば市(高層気象台)の2010年7月21日の例」(気象庁ホームページより)

その悩みの原因は、ずばり紫外線にあります。グラフからもわかるように、5月から9月は1年の中でも特に紫外線量の多い時期。
肌の2〜3倍もの紫外線量を浴びている頭皮こそ、しっかりとしたUVケアが必要になります。今回は、紫外線と賢く付き合い美髪を育むためのUVヘアケアをご紹介します!

紫外線を浴びると髪の毛にどんな影響が?

紫外線を浴びると、具体的にどのような影響があるのでしょうか? 紫外線を浴びると、毛髪は乾燥、強度の低下、表面の粗雑化、色素や光沢が失われるなどの影響を受けます。しかし、その機構はまだ詳しくは明らかになっていません。

 枝毛・切れ毛……ダメージ毛

髪の主成分はタンパク質で、シスチン、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファンなどのアミノ酸が結びついた構造(シスチン結合)をしています。紫外線を浴びると、このシスチン結合が変形し、切れ毛や枝毛などのダメージにつながります。

紫外線は髪の毛にも悪影響が……。

また、毛髪のS-S結合が切れて酸化によってシステイン酸(SO3H)が生成すると、傷みが生じます。プールや海水浴などで、髪が濡れた状態で紫外線を浴びるとシステイン酸の生成が加速されるので、髪がぬれた状態のまま紫外線を浴びないよう、気をつけましょう。

褪色

紫外線を浴びるとそのダメージでキューティクルが開きます。キューティクルが開いた状態のまま洗髪をすると、カラーをした染料が流れでてしまします。そのため、紫外線量の多い夏場は、カラーの褪色がはやく感じられます。

また、カラーリングをしていない地毛の方でも、毛の内部にある黒色メラニンが酸化分解されることで黒のメラニン(ユウメラニン)粒子が小さくなり、毛の色が褪せることもあります。これは髪の毛が水に濡れている時に起こりやすいので、プールや海水浴へ行かれる際はすぐに髪を乾かすなど、対策をしましょう。

どうやって防ぐの? できる対策日傘

まずは直射日光を浴びないように、日中の外出時は日傘をさすことを心がけましょう。ここで気をつけたいのが、UVカット力の持続性について。
実は、UVカット効果があると唱われているものの効果は永久ではなく、時が経つと徐々に薄れていくのです。しっかりUVケアをしたいなら、日傘も1年に1度買い替えることをおすすめします。

髪を束ねる

髪留めゴムさえあれば、どこでもできるのがこの方法。直射日光のあたる表面積を狭くすることで、傷む毛をできるだけ少なくしましょう。簡単ですが、日傘も日焼け止めスプレーも忘れてしまった、というときの応急処置にも使えますよね。ダウンスタイルでいるよりも髪の傷みを軽減できますよ。

髪用日焼け止めスプレー

いくら日傘をさしていても、髪を束ねていても、私たちは道路などから跳ね返った紫外線にもさらされています。360度くまなくUVケアするためには、髪用の日焼け止めも併用して念入りなお手入れをしましょう。
最近のUVカットスプレーは白くならないだけではなく、良い香りのものや石けんで落とせるものなどもあり、目覚ましい進化を遂げています。お気に入りの1本を見つけてみてくださいね。

紫外線予防 透明UVスプレー SPF50+PA++++/1,850円(税抜)

顔・体・髪と全身UVケアできるスプレー。バッグの中にポン! と入れておけば安心の、ちょうどよいサイズ感もうれしいですよね。ロングUV-Aまでしっかり防げるから、こまめな付け直しで夏が終わっても艶やかな美髪を保てそう。

髪の毛は死んだ細胞でできているので、一度ダメージを受けてしまうと残念ながら回復させることができません。傷みが深刻化する前に、日頃からこつこつケアを習慣にしましょう!

■プロフィール

オフィス美容の賢人 小西さやか

コスメコンシェルジュ。化粧品の研究や開発に携わってきたスペシャリスト。
現在は、一般社団法人日本化粧品検定協会を設立。
代表理事として、美容コラムの執筆、日本流行色の選定、メイクアップトレンドカラー本の監修を行っている。
最新著書「99%のクチコミは間違っている?! 勘違いだらけのコスメ神話」が2014年1月17日発売。
可愛くなりたいと頑張る女子こそハマってる!?コスメに関する意外な「勘違い」を一問一答形式で解説します!

「99%のクチコミは間違っている?! 勘違いだらけのコスメ神話」 http://www.amazon.co.jp/dp/493828054X/

小西さやかオフィシャルブログ:http://ameblo.jp/panntyann1/

2014年5月開催「日本化粧品検定」HP:http://www.cosme-ken.org/