話題の「オンライン動画配信サービス」人気6社比較

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気が付けば、私たちの周りには映像があふれています。パソコンで、スマホで、そしてお気に入りのタブレットで……。好きなタイミングで、気軽に、お得に映画を楽しみたい人から圧倒的に支持されている「オンライン動画配信サービス」を大解剖。

■そもそも、どんなサービスなの?

オンライン動画配信サービス(別名「ビデオ・オン・デマンド」。以下「VOD」)とは、インターネットで映画やドラマなどの動画が見られるサービスのことで、いくつか種類がある。

たとえば、多様な無料動画配信(有料コンテンツもあり)で有名な「YouTube」、動画にコメントをつけて楽しめる「ニコニコ動画」は、VODの代表格だ。

そのほか、各テレビ局は過去の番組をネットで“見逃し配信”しているし、「Google Play」や「iTunes」などで動画を買ったり借りたりすると、スマホやパソコンにダウンロードして視聴できる。これらもVODの一種だ。

さらに今注目を集めているのが、毎月定額を支払うと動画が見放題になるVODである。

「定額制VOD自体は以前からありますが、2015年、米国大手『Netflix』が日本でサービス提供を開始し、あらためて注目されています。1カ月あたり数百円から、高くても2000円程度で、数千〜十数万本もの動画が自分のスマホやパソコンなどで見放題になるのが特徴。レンタルショップに通うのが面倒な人には最適ですし、動画をたくさん見たい人にはコスト面でもお得です」(ITライター  上倉 賢さん。以下同)

■メリット・デメリットは?

定額制VODの最大のメリットは、料金を気にせず好きなだけ動画を視聴できること。サービス提供会社によっては映画だけでなく、国内外のドラマ、ドキュメンタリー、アニメなどを取りそろえており、そこでしか見られないオリジナルコンテンツが用意されている場合もある。コンテンツは頻繁に拡充されており、常に選択肢が豊富。見たい作品がレンタル中で見られない、という心配もない。

スマホやタブレット、パソコンの環境を整えれば視聴できるため、家にいるときだけでなく、外出中でも好きなタイミングで動画を楽しめる点も便利だ。

会社は複数あるが、ネット上で簡単に申し込みでき、やめたくなったらすぐ退会できることもメリットと言えるだろう。

「デメリットは、最新作がなかなか入らないこと。数年前の話題作くらいまでは見られますが、最新作が入るのは、レンタルショップよりずっと遅い場合が多いです」(同)

■利用するには何か準備が必要?

家のWi-Fi環境を整えておいたほうがいいだろう。VODは基本的に、データを読み込みながら同時に再生する「ストリーミング」方式で動画配信している。ダウンロードして視聴するのに比べて、あまり待たずに動画を見始められるのが特徴だ。

「ストリーミング方式で動画を見るには、常にネットにつなげている必要があります。動画はデータのサイズが大きいので、スマホで見続けていると、データ通信量の上限をすぐ超過します。たとえば、某社で高画質なHDの動画を見る場合、仮にスマホのデータ通信量を5GBで契約していたとしたら、動画を約3時間見ただけで、5GB分使い切ります。低画質に切り替えても、33時間で終了。これでは、せっかく見放題なのにもったいないですよね。つまり、家で長時間動画を見たいなら、データ通信量の制限がないWi-Fi環境であることが必須なのです」(ITライター 上倉 賢さん)

また、大画面で見たい人は、テレビで見るためのデバイスも準備しておこう。

「最初からVOD対応のテレビもありますが、種類が少なく高額です。普通のテレビでも、数千円で購入できる『Chromecast』などのデバイスを接続すれば簡単に視聴できます」(同)

■会社はどこを選ぶべき?

定額制VODを手掛ける主要な会社は『U-NEXT』、『Hulu』、『Netflix』、『TSUTAYA TV』、『dTV』、『Amazonプライム・ビデオ』の6社だ。また、2016年8月1日にはフジテレビが「FOD(フジテレビオンデマンド)」を開始。今後も選択肢は増えそうだ。

「会社選びで最も重要なのは、見たいコンテンツがあるかどうか。会社によって動画本数は違いますが、見放題の映画のラインアップには大差がありません。ですが、それ以外の部分に注目すると、『Netflix』はオリジナルドラマが話題ですし『Hulu』は海外ドラマが充実しているなど、各社のカラーがあります。どの会社も無料お試し期間があるので、自分に合うものを探すといいと思います」(同)

そのほか、会社によっては見放題動画のほかに別料金のPPV(有料動画)があることも。また、1人がスマホ、1人がテレビなどで同時に別番組を視聴できたり、本の読み放題など別種のサービスが付帯する場合もあるので、吟味したい。

■料金は? 配信本数は? 人気6社の特徴を比べてみました!

<U-NEXT>
動画本数:12万本以上
料金:1990円 ※PPVのポイント1000円分含む
無料期間:31日間
同時視聴:1〜4
▼作品数が多く、ジャンルも多彩雑誌や本も読み放題
NHKオンデマンドと提携しているので、朝ドラや大河ドラマファンにはありがたい。アニメの配信本数が多い。映画は新作・準新作も比較的豊富で、新しい話題作をどんどん見たい人に適している。字幕と吹き替えの切り替えも簡単。動画以外に20万冊以上の雑誌や電子書籍、マンガも読み放題。

Hulu
動画本数:2万本以上
料金:933円
無料期間:2週間
同時視聴:1
▼海外ドラマが充実日テレのコンテンツが豊富
国内外のドラマが充実している。特に、海外ドラマ好きは満足できるラインアップ。米国発のサービスだが、日本向けサービスは日本テレビが手掛けているため、日本テレビのコンテンツが充実。操作性については、同じ映画でも字幕版と吹き替え版が別番組になっているので、簡単に切り替えることができないのが面倒。

Netflix
動画本数:非公表
料金:ベーシック/650円、スタンダード/950円、プレミアム/1450円
無料期間:1カ月
同時視聴:1〜4
▼オリジナルコンテンツが充実パーソナライズ機能が優秀
簡単な質問でユーザーの嗜好をプロファイル。膨大な数の動画の中からその人に合うものをピックアップして、画面の見やすい位置に配置してくれる。海外作品はボタン一つで字幕と吹き替えが切り替えられるのが便利。料金体系は主に画質の違いによる。ベーシックプランだと少し画質は悪いが、スマホなら問題なし。

TSUTAYA TV>
動画本数:約5万本
料金:933円
無料期間:30日間
同時視聴:1〜2
▼毎月ポイントがもらえる最新作はレンタルできる
見放題の動画はそれほど多くないが、毎月1080円分のポイントが付与され、そのポイントで新作映画をレンタルできる。ポイントだけで見ようとすると、毎月2本新作の視聴が可能。最新映画をいち早く見たい人向け。月額1865円で、TSUTAYAのCDやDVDが借り放題で、自宅まで配送してもらえるサービスもある。

<dTV>
動画本数:約12万本
料金:500円
無料期間:31日間
同時視聴:1
▼低料金で動画本数が多いオリジナルコンテンツあり
動画本数の多さに対し低料金。大半の動画はダウンロードできるので、移動中にオフラインで視聴しやすい。コンテンツは映画、ドラマ以外にも音楽、カラオケの音源など多彩。オリジナルコンテンツが豊富な「Bee TV」のクオリティーも高い。ドコモユーザーは貯まった「dポイント」をdTVの支払いに利用可。

Amazonプライム・ビデオ>
動画本数:非公表
料金:年会費3900円(税込み・月額325円)
無料期間:30日間
同時視聴:1〜2
▼料金が一番安い動画配信以外のサービスも魅力
レンタルなどで別料金が発生する動画が多く、見放題コンテンツは少なめ。ただ、限定配信、オリジナルコンテンツもあるため満足感あり。字幕と吹き替えの切り替えが簡単にできない。プライム会員になると、動画のほか100万曲以上の楽曲やラジオが聞き放題の
「Prime music」が利用できるのもうれしい。

※数字は2016年6月30日時点。断りのないものについては料金は税別。一定期間すべての会社のサービスを使用して比較。「PPV」は有料コンテンツのこと。

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上倉 賢
ITライター。ノートパソコン専門家。「All Aboutノートパソコン」でガイドを務める。オンライン動画配信サービスは一通りチェックし、以前「Hulu」を使用していたことも。現在は、Amazonでの買い物が多いことから、「Amazonプライム・ビデオ」のみ。

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(元山夏香=文)