『美しくなるためのランニング講座』  
第6回●ストレッチ&エクササイズ

ランニング初心者の馬場ふみかさん(女優・モデル)がフルマラソン完走を目標にトレーニングを開始! 指導担当は、湘南ベルマーレ・トライアスロンチームの中島靖弘ヘッドコーチ。「楽しく、頑張りすぎない」ランニング講座の第6回。

【プロフィール】
・中島靖弘 http://www.bellmare.or.jp/triathlon/profile/member.html
湘南ベルマーレ・トライアスロンチーム・ヘッドコーチ。ニューバランスランニングアドバイザー
・馬場ふみか http://lineblog.me/babafumika/
女優・モデル。新潟県新潟市出身。167cm


今回は、前回のストレッチの続きと、新たにエクササイズについてです。

ランニングの蹴り出しや着地には脚の筋力が必要になります。その脚の筋肉の負担をなるべく減らすために"体幹"が重要な役割を果たします。

体幹をしっかり鍛えることができると全身が硬いゴムのような感じになり、ポンポンポンと弾むように走ることができます。逆に柔らかいゴムのように沈み込む動作が大きくなり、それを戻すための動作で余分な上下動が生まれ、大きな筋力が必要になると、疲労感を高めることになってしまいます。できればストレッチに加え、エクササイズも毎日やってください。

 エクササイズ――いわゆる『筋トレ』というと瞬発力を意識した激しいトレーニングを想像するかもしれませんが、まずは正しい姿勢を維持するのが目的になるので、ゆっくりとした動作で体幹を鍛えていきましょう。


■正しいランニングフォームを作るエクササイズ
●プランク
 左右の肘とつま先で体を支え、肩から体幹、脚までが一直線になるように意識します。腰やお尻が下がったり、上がったりしないように、正しい姿勢を維持することが大切です。慣れてきたら片脚を上げて、さらに脚と逆の腕を前方にまっすぐ伸ばしてみましょう。
 30秒維持できるようになったら、徐々に時間を延ばしてみてください。

●腹筋運動

 床に膝を立てた状態で座り、手を頭の後ろで組みます。8秒くらいかけて、均等にゆっくりと体を後ろへ倒していきます。後方に早く転がらないようにないように耐えてじわじわと、背骨をひとつずつ床につけるように行ないます。10回1セット以上で行ないましょう。

●お尻と太もも裏の筋肉の強化

 床に寝た状態で膝を立てる。腕は少し斜めに広げる。ヘソを頂点にして体を上に引き上げていきます。肩と膝を結ぶ線より、お腹の位置が高くなるようにして30秒キープします。楽になったら、同じ姿勢を維持したまま片足を伸ばします。左右を30秒ずつ1セット以上行ないましょう。

●腹斜筋・腹横筋のトレーニング

 片肘を立てて横になります。膝を曲げて腰を上に持ち上げます。腰が落ちないようにしっかりと耐えてください。慣れてきたら脚を伸ばし、踵から頭までが一直線になるように持ち上げてみましょう。30秒維持することを目標とし、徐々に時間を伸ばすようにします。


■椅子や段差、壁を使ったストレッチ&エクササイズ
 段差やイス、ソファやベッドなど台になるものを使うと、楽に効果的なストレッチング、エクササイズを行なうことができます。自宅にあるものを有効に活用してみてください。

●段差を使った脚のストレッチ(1)

 膝を伸ばした状態で台にかかとを乗せ、その状態から前屈していきます。つま先を内側、真ん中、外側と向けることでストレッチされる場所が変わるので、伸ばしたいところを探しながら順番に伸ばしていきましょう。

●段差を使った脚のストレッチ(2)

 段差の上に立ち、片足のかかとを後方に出して下げると、ふくらはぎを伸ばすことができます。足を伸ばしたままで行なうとふくらはぎの上部(腓腹筋)、膝を曲げると下部(ヒラメ筋)を伸ばすことができます。

●台を使った股関節・太もも前のストレッチ

 両脚を前後に開いて後方の膝を台やソファの上に置きます。前脚は膝を90度以上に開き、体をゆっくりと胸を張って、体を前に移動させ、後脚の股関節の前部と前の足の股関節裏側を同時に伸ばしましょう。
 
 一度、体を後方に戻し、後脚の足首を持って体に引き寄せ、再び胸を張って、体を前に移動させると後脚の太もも前部と股関節前部を効果的に伸ばすことができます。

●台を使った腹筋

 床に寝た状態で両足を台の上に乗せ、膝が90度になるようにします。手を頭の後ろで組み、体を起こします。起こすことができなければ、手を前に伸ばして行なってください。起き上がることができなくても、挙げようとすることで筋力がついてきます。10回1セット以上行ないましょう。

●台を使ったお尻と太もも裏の筋肉の強化

 床に寝た状態で両足を台の上に乗せ、そのまま膝を曲げます。腕は少し斜めに広げましょう。ヘソを頂点にして体を上に引き上げていきます。肩と膝を結ぶ線より、お腹の位置が高くなるようにして、30秒保持します。それが楽になったら、同じ姿勢を維持したまま片足を伸ばします。左右30秒ずつ、1セット以上行ないましょう。

●壁を使い胸の筋肉をほぐす

 壁側に体の側面を向けて立ち、片手を肩より高い位置の壁につけます。手の位置を固定し、肩を中心にもう一方の腕を後ろに引くように、外側へ向けゆっくり上半身を回していきましょう。
 壁につく手の高さで伸びる位置が変わりますので、一番気持ちよい高さを探してください。30秒以上行ないましょう。

●壁を使い脇腹・肩甲骨周辺をほぐす

 壁に体の側面を向けて立ち、上半身を真横に倒し、片手の掌(てのひら)を壁につけ、外側の腰を外に出して、脇腹や肩甲骨周辺を伸ばします。30秒以上行ないましょう。

●壁を使い、全身を伸ばす
 上記ストレッチングの姿勢から、外側の脚を後ろに大きく引き、内側の脚を前に出した状態から腰を外側に出しながら、前に押し出します。太ももの前の付け根(腸腰筋)が伸びるように意識して行ないましょう。左右30秒ずつ行ないます。

●壁を使い骨盤と膝の外側を伸ばす
 上記ストレッチングから脚を前後反対にして立ちます。腰を前に出したまま、壁にできるだけ近づけて、太ももの付け根外側(ズボンのポケットの位置)の筋肉を伸ばします。ここが固まると膝のけがをする可能性が高まりますので、入念に時間をかけて行ないましょう。


■骨盤・肩甲骨・腹筋を連動させるエクササイズ
 膝を曲げて座り、両足を床から少し浮かせ、その状態から走るように前後に大きく腕ふりをします。胸を張り、肩甲骨を意識しながら、脚が前後に動くように骨盤を動かしていきましょう。
 うまく腕振りと骨盤の動きが連動すれば前へと進んでいきます。筋力強化はもちろん、走る前に行なうと、走ったときの腕振りがスムーズになり、脚も前へ出やすくなります。1m以上前に進むまで動作を続けてください。

【エクササイズの撮影を終えて】
中島:馬場さんは体幹がしっかりしているようで、どのエクササイズもできていました。

馬場:今日行なったエクササイズは、ヨガに近いものがありましたね。だからすごくアプローチしやすかったです。ただ、ポーズをキープするとやっぱりプルプルしちゃいました。

中島:それは効いている証拠ですよ。

―― エクササイズをやるにあたっての注意点はありますか。

中島:正しい姿勢を作るというのが大事なので、強引にやらないこと。できれば鏡を見て全身をチェックしながらやったほうがいいですね。正しくない姿勢でやると、違う筋肉を使ってしまうので、使いたい筋肉をしっかり使うためには、正しい動きでやることが大事になります。
 もしきつくて正しい動きができない場合は、30秒ではなく、時間を短くして強度を下げてもいいと思います。なるべく勢いや反動を使わず、ゆっくりとした動作でやることをお勧めします。そうすると、どの筋肉に効いているか意識しやすくなりますから。

馬場:またプルプルしちゃいますね(笑)。

中島:じつは馬場さんみたいに、いきなりできる人は少ないですよ。柔らかさと体幹、両方兼ね揃えているので、ランニングをするにはとてもいいコンディションだと思います。

―― ストレッチとエクササイズは表裏一体の関係にあり、どちらも欠かせないと聞きますが。

中島:そうですね。最初にストレッチングをして、体を動かしやすくしてからエクササイズをすると効率的ないい動きをすることができます。ですから両方一緒にやるほうがより効果的と言えるでしょう。

馬場:なるべく両方一緒にやれるように頑張ります。

中島:とはいえ、なかなか難しい場合もあると思うので、思い出したときにでもできればいいと思いますよ。無理をせず楽しくやってください。一畳のスペースでできることですから。例えば、テレビを見ていて、CMの時だけエクササイズをするとか。

馬場:なるほど。そうすれば自然と30秒間できますよね。プルプルしながらCM見ます(笑)。

石塚隆●取材・構成 text by Ishizuka Takashi
八戸亜希子●ヘア&メイク hair&make-up by Hachinohe Akiko
松尾由美●スタイリング styling by Matsuo Yumi
衣装協力/ニューバランス