【連載:映画で分かる女の本音】〜憧れるのは若さではなく自分らしさ〜映画『ヤング・アダルト・ニューヨーク』
十代から二十代へ、三十、四十代へ──。当たり前ですが、人は年齢を重ねて生きていくもの。
次の世代に移ると、自分自身の変化はもちろん、自分と違う世代との感覚の違いに違和感を抱くものです。いわゆるジェネレーションギャップ。
最近はそのギャップを表現するひとつとして“ゆとり世代”という言葉が出てきました。
たしかにどの年代に生まれ育ったかで生き方に違いは生まれるかもしれません。
私の場合、バブル世代の少し後なので、お金を湯水のように使っていたというバブルは経験できなかった。
映画やドラマで、こんな時代があったのか……と羨ましく思ったものです。
今回ピックアップした『ヤング・アダルト・ニューヨーク』では、“若いつもり”の40代と“成功したい”20代、2組のカップルを通じてジェネレーションギャップが描かれます。
いま20代の人はジェイミー(アダム・ドライバー)とダービー(アマンダ・サイフリッド)のカップルに、30代以降の人はジョシュ(ベン・スティラー)とコーネリア(ナオミ・ワッツ)のカップルに自分を重ね合わせるのではないでしょうか。
コーネリアを例に挙げて女の環境の変化を探っていきたいと思います。
ジョシュとコーネリアは子供のいない自由な40代夫婦。
まわりの友人たちは子供が生まれて親になり、会ったときは当然、家族や子供の話になります。
でも、子供がいないとピンとこないですし、最初は楽しくてもだんだんとつまらなくなってしまう。それはもう仕方のないこと。
ある日、彼らは20代の若いカップルと出会い、刺激を受け、若い世代のように生きてみようとする。
若くあろうとすることは全然OKですが、ジョシュとコーネリアを見て思ったのは、自分たち“らしさ”を無くしてはならないことです。
たとえば、女性はある年齢になると、どんな服を着ていいのか迷うことがあります。
これは若すぎる? オバサンっぽい? 流行に乗りすぎ? そこで大事になってくるのが自分らしさ。年齢を重ねるということは、それだけ経験を積んできたということ。
自分はどんなスタイルが好きなのか、何が似合うのか、自分を知っている大人の女性はとても格好いい。
そのベースがあることで、そこにスパイスとして若い世代の流行りを入れてみたり、そんな女性に憧れます。
ファッションだけでなく、結婚するしない、子供を産む産まない、いろんな選択肢のある時代だからこそ、しっかりと自分で“決める”、自分で“判断する”ことが大切で。
少し話がズレましたが、この映画には年下世代に憧れるちょっと情けない大人たちがいて、そこには女性が学ぶべきこともたくさん描かれています。
日本人は特に年齢を気にする傾向にあるようなので、何かと「もう年だから……」と言いがちな人こそ観て欲しい。
この映画をきっかけに、年齢ではなく自分らしさを気にする生き方をしたいと思ったわけです。
7月22日(金)よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー
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