厳選!2歳馬情報局(2016年版)
第8回:ミリッサ

 今年も白熱した戦いが繰り広げられた3歳牝馬クラシック。才能豊かな乙女たちのハイレベルな争いに多くのファンが魅了された。その主役となったのは、シンハライト(牝3歳/ディープインパクト)だ。

 昨年10月にデビューした彼女は、破竹の3連勝でGIIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)を勝利。1分32秒8というレースレコードを叩き出して、クラシック第1弾・GI桜花賞(阪神・芝1600)の有力候補に躍り出た。

 迎えた桜花賞は、ジュエラー(牝3歳)にハナ差及ばず2着に敗れたものの、先に抜け出して最後まで脚取りの衰えなかったレースぶりは、同馬の能力を証明するものだった。

 そして、二冠目となるGIオークス(東京・芝2400m)で、彼女はついに栄冠を獲得した。直線に入って、後方から自慢の豪脚を繰り出して完勝。上がり33秒5という爆発力を披露し、見事1番人気の支持に応えた。

 馬体重430kgを切る、華奢なシンハライト。その小さな馬体に秘められた末脚と勝負根性が、彼女を頂点に導いたのだった。

 そんなオークス馬に続く活躍が期待されているのが、シンハライトの妹であるミリッサ(牝2歳/ダイワメジャー)。現在、今年のデビューを見据えて英気を養っている。

「前向きな性格で、これまでの雰囲気はすごくいいですね。調教を強めればいくらでも動きそうです。シンハライトとは父が違うのですが、その分、距離適性もミリッサのほうが短距離向きになるかと思っています」

 ディープインパクトを父に持つシンハライトに対し、ミリッサの父はダイワメジャー。この種牡馬は中・短距離型の産駒が多く、ミリッサも同じタイプとなりそうだ。とすれば、シンハライトの届かなかった桜花賞のタイトルが最大目標になるのではないか。

 なお、ミリッサも春の時点で428kgと体の小さなタイプ。とはいえ、姉もそうだったため、特別不安材料にはならないだろう。もちろん、岡氏をはじめ、スタッフもその点は心得ている。

「レースを使えば、ポンと勝てそうなくらいの動きをしていますが、まだ体が小さいので成長を促すことに力を入れています。あえてセーブ気味の調教メニューにしており、体はもっと大きくなると思いますね。デビューは秋頃になるのではないでしょうか」(岡氏)

 これからミリッサを管理するのは、石坂正厩舎(栗東トレセン/滋賀県)。シンハライトをはじめ、兄姉のほとんどが所属してきた厩舎であり、この血統を知り尽くしたチームである。小柄な姉を育て上げた経験を武器に、妹をもクラシックへと導いてくれるかもしれない。

 シンハライトが輝きを見せた2016年の牝馬クラシック。来年は、その妹であるミリッサが同じ舞台で飛躍するのか、今から楽しみだ。

河合力●文 text by Kawai Chikara