能年玲奈1stフォトブック「ぐりぐりぐるみ」より

写真拡大

 7月から展開されている能年玲奈(23)の一連の“復帰プロモーション”に対して、前事務所のレプロ・エンタテイメントが正式に待ったをかけた。一部メディアを通じて「現在まで解決に至っておりません」などとコメントを発表し、問題が何も終わっていないことを強調した。レプロの対応に対して、ファンの間では賛否が真っ二つに分かれている。

■どっちが悪い? 事務所の対応に賛否両論

 2015年1月に、演劇指導の“生ゴミ先生”こと滝沢充子氏とともに株式会社「三毛andカリントウ」を設立した能年。レプロとの二重契約が取り沙汰され、約1年半に渡って姿を消すこととなった。

 今年7月に入って、能年は一部雑誌メディアを通じて「(レプロとの)6月までの契約は終わった」と主張し、芸名を「のん」と改名。芸能復帰すると宣言していた。しかし15日頃になってレプロが一部メディアを通じて、能年との契約解消を否定するコメントを正式発表。事態は急転した。

 今回の一件についてレプロは「能年玲奈とはこれまで、専属芸術家契約等の履行及び更新をめぐる諸問題について、同人に対しその解決に向けた誠実な対応を求め、協議を続けてまいりました。しかし、誠に遺憾ながら、現在までその解決に至っておりません」と述べ、法的対応も視野に入っている模様。

 巷の意見は真っ二つ。レプロの対応を大人げないと考えて「もう解放してやれ」「事務所のイメージ最悪」と能年擁護派がいる一方、「事務所的には中途半端な解決したらその後大変では」「能年が社会人としてきっちり片付ければいいだけ。シカトして逃げ回って、はい終わりとかバイトじゃないんだから」とレプロ肯定派も少なくない。

 また、レプロの劣悪な待遇問題や能年の無視行動など数々の報道が乱立しているだけに、表立った情報だけではどちらが悪いか判別がつかず、「いっそ裁判で双方の公の主張聞いてみたい。ゴシップネタレベルではよくわからん」という意見も出ている。

 一般的に日本の芸能界は、芸能事務所を通じて芸能人が活動を展開する。他との二重契約などご法度だ。それだけに、先に契約していた事務所からこれだけプレッシャーをかけられれば、能年本人よりもテレビ局やスポンサー企業が仁義的に動きづらい。

 レプロの公式サイト内にある能年の紹介ページには、地上波放送された映画『ホットロード』がスケジュールの一つとして記されていた(15日夜時点)。契約は解消されておらず、「能年は所属タレントである」というのが事務所の見解のようである。

「レプロの報道対応は事実上の制裁。能年を相手取って裁判ともなれば半年、1年以上かかるかもしれません。裁判費用もバカになりませんから、長期戦になればレプロが金銭的に有利でしょう」(報道関係者)

 能年とレプロの間で交わされている契約内容は、本人たちのみぞ知るところ。とにもかくにも、才能ある女優が輝きを放つ時期に活動できない様を見るのは悲しいかぎり。両者の間で問題が早く解消されることが待たれる。

文・海保真一(かいほ・しんいち)※1967年秋田県生まれ。大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーライターに。週刊誌で執筆し、芸能界のタブーから子供貧困など社会問題にも取り組む。主な著書に『格差社会の真実』(宙出版)ほか多数。