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ダイソンといえば製品はなんとなくイメージできるものの、それを支える技術は意外と知っているようで知らないもの。ここでは、ダイソンが生み出したスゴい技術について、どこよりも優しく解説していこう。

 

01 ダイソンデジタルモーター

 

ダイソンのコア技術である高効率化した小型軽量モーター



 

モーターのパワーは本体の大きさや重さに比例している。この矛盾を解決し、小型でもパワーが大きく軽いのがダイソンデジタルモーター(DDM)だ。モーターの回転効率を下げていた要因を、一般的なモーターには不可欠な銅線とブラシだと突き止め排除したり、コイルへの電流を切り替えるタイミングをデジタル制御するなどの工夫で実現。DDM V2をはじめ、V4、V6、V8、さらにはV9と、現在5つのDDMが各製品を最適化するために使われている。

 

02 サイクロンテクノロジー

 

大きなゴミからミクロレベルの塵まで遠心力で空気と分離



 

掃除機が吸い込んだゴミと空気を円錐形のコーン内で高速回転させ、回転で生じた遠心力が空気の流れからゴミを分離。独自のクリアビン内に落とすという仕組みだ。高速で走っているレーシングカーが、スピードでコーナーを曲がろうとすると、ドライバーは体ごと外側に飛ばされそうになるのと同じ。遠心力を大きくすればするほど、大きなゴミはもちろん、微細なホコリやミクロレベルの塵でも、ゴミは空気の流れから分離されていく。

 

03 ダイソンボールテクノロジー

 

低重心、操作性、低騒音などをボール型の本体で実現



 

キャニスター掃除機の本体をボール型に成型。モーター、電源コード、フィルターなど、本体内に100以上のパーツをぎっしりと格納することで、掃除機本体の低い重心を確保。ボール部分が旋回軸となり、素早く方向転換をしても、家具をよけながら強引に引き回しても、球体ならではの安定感で転びにくい特長がある。さらにモーターの音や振動を吸収する緩衝材がボール内部に配置されているので、気になる運転音を大きく低減しているのもポイントだ。

 

04 360°ビジョンシステム

 

360°の周囲をみるロボット掃除機の目線を作り出す



 

ロボット掃除機が周囲を見渡すことで、規則的かつ効率的に動くための視認システム。360°すべてのアングルを、ロボット掃除機の“目”である本体上部のカメラが、1秒間に30枚もの画像を撮影。ぐるっと見渡したたくさんの画像を、素早くどんどん合成していくことで、直線的な部屋の360°パノラマビューを生成する。壁やインテリア、隅など、部屋の特徴を把握することで、ロボット掃除機が賢く掃除していくことができる。

 

05 フラフィ(ソフトロールクリーナーヘッド)

 

大小ゴミを同時に集めるローラー



 

掃除機のヘッドに搭載されたふわふわのナイロンフェルトのローラー。全世界に存在する何百種類ものシリアルはじめ、米粒や麺類、ドッグホード、猫用のトイレ砂など、床にこぼれる可能性のあるものを片っ端から検証し、大きなゴミから小さなゴミまで、ノズルを浮かすことなく巻き込む。ローラーの軸となる部分にモーターを配置し、直接回転させる構造を採用。ヘッドの横幅いっぱいまでローラーを拡大し、掃除の効率をアップさせた。

 

06 エアマルチプライアーテクノロジー

 

周囲の空気を巻き込み増幅した風を送る



 

羽根のない扇風機やドライヤーのコア技術。モーターにより回転するインペラーが空気を吸い込みながら気流を生み出し、リング部分にあるスリットから送出される。せまいスリット部分から出た空気は”翼型傾斜”を沿って流れ、高速気流が生まれる。高速気流の周りは低圧になるので、高気圧から低気圧に風が吹くように、周囲の空気が巻き込まれるため、吸い込んだ空気より何十倍もの大きな気流が生み出される仕組みだ。

 

07 ヘルムホルツ式空洞

 

モーター音に真逆の音をぶつけて消音するノイキャン技術



 

ヘルムホルツ式空洞とは共鳴現象を発生させるためのもので、モーターの周波数と同じで波形が上下逆の音を共鳴により出すことで、モーター音を打ち消すノイズキャンセリングするというもの。音楽室や録音スタジオなどの壁面に空いた細かい穴、バスレフ型スピーカなどにも使われている原理であり、その仕組みを扇風機の消音機構に採用した。電気的な力を使わず、ヘッドホンなどに使用されるノイズキャンセリング技術と同じような効果を得られる。

 

08 360°グラスHEPAフィルター

 

超微小粒子状物質を99.95%除去するフィルター



 

話題のPM2.5よりもかなり小さな物質で、PM0.1のような超微小粒子状物質を、360°どの方向からも吸い込むことで、99.95%も取り去る高性能フィルター。一般的なHEPAフィルターよりも密度を高めるために、マイクログラスファイバー素材を採用。約6mのフィルター素材を200回以上プリーツ状に織り込むことで、外側から入り込む空気を、より広い面積で受け止めると同時に、超微小粒子状物質を捕えられるように設計されている。

 

09 ヒートパイプテクノロジー

 

人工衛星にヒントを得たLEDの冷却システム



 

ヒートパイプと呼ばれる真空に近い状態の銅管に、ごく少量の水が入っていて、熱せられることで素早く熱を取り去る仕組み。日本でも夏に庭や道路に“打ち水”をするが、それと同じ原理だ。効率的にLEDの熱を取り去ることでLEDモジュール周辺は約55度という低い温度を維持し続ける。元々は200℃からマイナス200℃にまで変貌するタフな環境でも、システムを正常に動作させるための冷却システムを搭載する人工衛星にヒントを得た。

 

10 エアブレードテクノロジー

 

シート状の薄い空気が手についた水滴をかき落とす



 

ダイソン デジタルモーター V4搭載により、時速690kmのシート状の薄い空気が、手についた水滴をかき落とし、最短10秒で乾かすことができるハンドドライヤー用の技術。吸い込まれた空気中の約99.9%のバクテリアを除去するHEPAフィルター使用により、いつでも衛生的な空気で手を乾かすことが可能。通常のハンドドライヤーの浮遊しているバクテリアを含む空気で手を乾かさざるを得ない不衛生さを解決する。

 

11 ウルトラバイオレットクレンズテクノロジー

 

バクテリアを99.9%除菌した清潔なミストを送出



 

加湿タンクから本体へ水を溜めるジョイント部分に、UV-Cライトで2度の除菌処理を行い、それからミスト化する仕組み。ミスト状にしてファンの力で放出する超音波式加湿器は、エネルギー消費が少なく、もっとも効率的に部屋中を加湿できるという点で優れている。だが、そのまま放置しておくと、バクテリアの温床になる危険性も高い。それを解決するために開発された技術で、より安全かつ清潔なミストを空気中へ送り出せる。

 

文/滝田勝紀(編集部)

※『デジモノステーション』2016年8月号より抜粋