エリート裁判官、半裸画像投稿して「注意」 ファンら「個人の自由では」と大擁護
ネット上に半裸の自撮り写真を投稿したとして、東京高裁の岡口基一(おかぐち・きいち)裁判官(50)が、高裁から口頭で注意を受ける事態となった。
岡口裁判官は「際どい」自撮り写真をSNSに数多く投稿する「有名人」で、掲示板サイトには「ファンクラブ」のスレッドができるほどだ。そのためか、ネット上で「個人の自由では?」「たいした迷惑かかってない」と擁護する声はやまない。
東大卒業後、ベストセラー法律書を執筆
岡口裁判官は東大法学部卒業後、1994年に任官。水戸地裁や大阪高裁、東京地裁を経て、2015年4月から東京高裁の裁判官を務めている。民事訴訟などに関する著書は多く、中でも『要件事実入門』(創耕社)、『要件事実マニュアル』(ぎょうせい)のシリーズはベストセラーとなった。2冊は司法試験受験生の「バイブル」との呼び声が高い。
携わった判例も多い。過去の新聞記事を参照する限り、05年の水戸地裁時代に石岡市議が保険会社から約170万円をだまし取った事案を担当。現在は、13年に起こった笹子トンネル事故をめぐる損害賠償訴訟の控訴審を担当している。
そんな岡口裁判官のもう1つの顔が「自撮り好き」だ。数年前からツイッターや自身のブログに白いブリーフパンツ1枚をはいただけで撮影した写真を投稿し、鍛え上げられた肉体美を披露していた。右手にカメラ機能付き携帯電話を構え、自分の姿が映る姿見鏡を撮影する独自の手法は自撮りの英訳「selfie」(セルフィー)を文字った「okafie」、または「岡口撮り」と呼ばれた。ファンも多く、一部の掲示板サイトに「岡口判事ファンクラブ」といったタイトルのスレッドが立つほどだ。
「白いブリーフ写真」以外にも、縄で縛られている状態の「緊縛」写真(すでに削除)や「エロエロツイート頑張るね」といったツイート(すでに削除)を投稿することもあった。
ツイッターのヘッダーには今も「白ブリーフ写真」
高裁側は現役裁判官によるこうした投稿を問題視していたようで、岡口裁判官自身が16年6月21日のツイッターで、高裁側から正式な口頭注意を受けたと明らかにし、
「今後は、このようなつぶやきは二度としないことを心に誓い、国民の皆様の期待に応えられるように職務に邁進(まいしん)したいと考えております」(すでに削除)
と謝罪した。
東京高裁も27日に「現職裁判官が裁判官の品位と裁判所に対する国民の信頼を傷つける行為をしたことは、誠に遺憾です」とのコメントを発表している。
行き過ぎた投稿で職場から怒られた岡口裁判官。しかし、ネット上では
「品位を損なうとも思わない」
「個人の自由では?」
「たいした迷惑かかってない」
と擁護の声が相次いでいる。中には、裁判官だから「判決」(半ケツ)を出そうとするのは当たり前、との斬新な解釈もある。
謝罪文のある岡口裁判官のツイッターのヘッダーには今も、白いブリーフ1枚をはいただけの自撮り写真が掲載されている。
【2016年6月29日 追記】
東京高裁は2016年6月29日になって、J-CASTニュースの取材に電話とファクスで回答を送ってきた。それによると、今回の岡口裁判官に対する「厳重注意」は、下級裁判所事務処理規則21条「高等裁判所長官、地方裁判所長及び家庭裁判所長は、所属の裁判所の監督に服する裁判所職員に対し、事務の取扱及び行状について注意を与えることができる」に基づいた、という。さらに、厳重注意の具体的な理由として岡口裁判官による3つのツイート(14年、15年、16年にそれぞれ投稿)を明示。その内容は「俺が実験台になって縛ってもらいました」「自分の裸写真とかどんどんアップしますね」などのほか、性器や性的な表現を多数含む文章だった。