WWDC 2016でApple Watchの最新OSとなる「watchOS 3」が発表され、新機能の数々がデモンストレーションされました。発売当初からApple Watchを使っていたガーディアン紙の記者は「Apple Watchを9か月間使った結果、二度と使わないと決めた理由」という記事でApple Watchの性能不足を指摘していましたが、一方でArs Technicaの記者は「WatchOS 3はApple Watchの持つ問題点を全て解決できるかもしれない」として、その理由について解説しています。

WatchOS 3 might actually fix most of my problems with the Apple Watch | Ars Technica

http://arstechnica.com/apple/2016/06/watchos-3-might-actually-fix-most-of-my-problems-with-the-apple-watch/



IT系ニュースサイト・Ars Technicaの記者であるアンドリュー・カニンガム氏は、2016年4月にApple Watchを約1年使った体験を詳しくつづった記事を掲載しており、Apple Watchの性能不足や、アプリの起動速度の遅さなどを指摘しています。一方でカニンガム氏はApple Watchを気に入って使っており、誰がなんと言おうと今後も使い続けることを確信しているそうです。

そんなカニンガム氏は、watchOS 3が適用されれば、これまでのApple Watchに存在していた問題点を全て解決できると考えています。これまでのApple Watchは、サイドボタンを押せば「友達」のリストが表示され、画面を下からスワイプすると、各種アプリの「グランス」を表示できます。これらの機能はwatchOS 3で変更され、サイドボタンでグランスに変わる新機能「ドック」を呼び出最新OS「watchOS 3」はApple Watchの問題点を全て解決するせるようになります。ドックは起動中のアプリ履歴を表示できるほか、特定のアプリをピン留めしておき、よく使うアプリに素早くアクセス可能。グランス自体は廃止され、画面を下からスワイプすると、iOSと同様の項目を持つ「コントロールセンター」を呼び出せるようになります。



さらに、アプリをバックグラウンド更新できるようになるほか、アプリの起動速度が約7倍になることも発表されています。WWDC 2016のデモンストレーション通りにアプリが高速呼び出しできるのであれば、カニンガム氏は自らが感じていたApple Watchの問題をほとんど解決できると考えているとのことです。なおwatchOS 3では、ほかにもウォッチフェイスをスワイプで切り替える機能や、深呼吸するタイミングを教えてくれる新アプリ「Breathe」などが追加されます。開発者向けのプレビュー版はすでにリリースされており、正式リリースは2016年秋頃になる予定です。

Apple (日本) - Apple Press Info - Apple、watchOS 3をプレビューより速く、よりシンプルに、そして画期的なヘルスケア機能を搭載

http://www.apple.com/jp/pr/library/2016/06/13Apple-Previews-watchOS-3-Faster-Simpler-with-Breakthrough-Health-Features.html