【ファンキー通信】iPodから金を取れ!!

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 iPodに代表されるHDDミュージックプレイヤーが大人気だ。ポケットに収まるほど小さなボディに音楽が1万曲以上も保存できるし、音飛びもしない。さらに、手頃な価格も魅力だ。

 しかし、そんなHDDミュージックプレイヤーが、ひょっとしたら値上がりするかもしれない。というのも、これらを「私的録音録画補償金制度」の指定対象にしようという動きがあるからだ。今年、1月に行われた文化庁主催の第14回文化審議会著作権分科会でのこと。HDDミュージックプレイヤーやパソコンなどが私的録音・録画に利用されている現状を考え、これらを指定対象に入れるかどうか、検討していく方向が示された。出席したある委員に至っては、iPodの名前を出し、早急な政令による追加指定を訴えていたのだ。

 話が小難しくなったが、そもそも「私的録音録画補償金制度」って何なのだろう?

 音楽CDを友だちみんなで貸しあう。そんな経験がある人は、けっこういると思うが、本来それは違法な行為。CDが売れなくなるからだ。さらにCDをMDに録音する行為にも、ある制限がある。私的録音を自由に行って良いが、補償金を納めなければいけないのだ。誰も払ってないって? いや払っているのだ。MDやCD−Rの価格にはあらかじめ、補償金が上乗せされていて、メーカーが代わりに納めている。

 つまり、その「私的録音録画補償金制度」の指定対象に、HDDミュージックプレイヤーを加え、価格に補償金を上乗せしようというわけなのだ。しかし、ここで問題がある。例えば、書類のバックアップにCD−Rを使っている人もいる。パソコンも指定に加えるというが、そもそもパソコンで音楽を聴かない人だっている。そんな人たちも、無条件で補償金を支払うことになるのが、この制度の欠点なのだ。

 しかも、私的録音とはいえ、大量にコピーが作られるとみんなCDを買わなくなり、権利者が経済的に苦しくから、この制度が存在する。しかし、HDDミュージックプレイヤーなどの多くには、コピー回数に制限があり、際限なくコピーができるわけじゃない。そう考えると、制度の方にも問題がある。安易にユーザーに負担を押しつけるのではなく、ユーザーにも、著作権者にもやさしい制度を早く作ってほしいものだ。(文/verb)