[6.11 J1第1S第15節 名古屋0-1鳥栖 パロ瑞穂]

 試合終了の瞬間、ホームスタンド側からも罵声や怒声が容赦なく浴びせられた。さらに選手たちがゴール裏のサポーターの前にあいさつに立つと、サポーターは両手を広げて不満をあらわにし、選手たちを叱責する姿が見られた。名古屋グランパスはホームでサガン鳥栖に0-1で敗戦。ここ3戦は降格圏の3チームとの対戦だったが、1分2敗という厳しい現実が突き付けられた。

 手は打った。現状打破を目論む名古屋は、これまでこだわってきたFWシモビッチの1トップシステムを変更。3-1と快勝した5日のナビスコ杯磐田戦で得点したFW川又堅碁を今季初先発させ、シモビッチとの2トップに変更した。

 しかし前半6分に先制点を許すと、低迷するチームは早くも慌てだす。前半を1点ビハインドで折り返すと、小倉隆史監督は川又を下げてMF磯村亮太を投入。システムをもとに戻すという決断を下した。しかし7戦ぶりの勝利を目指す鳥栖の集中した守備陣を崩すだけのパワーはなく、移籍3年目で初対戦となったFW野田隆之介のシュートもGK林彰洋の腕の中に収まった。

 指揮官は「一番やってはいけない最初のセットプレーで失点して自分たちのリズムを崩してしまった。単調な攻撃だけになってしまった。落ち着く前のところでリズムを作れなかったのが、いろんな部分で尾を引いてしまった」と敗因の分析。「何とか結果に繋げないと。サポーターやファンの皆さんにこの現状は本当に申し訳ない。しっかりやるしかない」と自らに言い聞かせるように、気合を入れ直していた。


●[J1]第1ステージ第15節 スコア速報