河瀬直美監督

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 「2つ目の窓」「あん」などで知られる河瀬直美監督が6月10日、東京・ラフォーレミュージアム原宿で行われた国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)2016」のトークイベントに出席。河瀬監督が学生時代に8ミリで撮影した最初期の短編「私が強く興味を持ったものを大きくFixできりとる」や、韓国・釜山国際映画祭の要請で製作した「嘘 LIES」を含む4作品の上映を交え、約1時間半に渡り思いを語った。

 今年のSSFF&ASIAでは、奈良県在住の河瀬監督が主宰する「なら国際映画祭」と連携し、国際的に活躍できる若手映画監督を育成するプロジェクト「Road to Cannes 〜カンヌへの道〜」を実施中。第69回カンヌ国際映画祭の短編部門およびシネフォンダシオン(学生映画)部門の審査委員長を務めた河瀬監督は、「その時にカンヌのディレクターに『なら国際映画祭とパートナーシップを結ぶのは?』と聞いたら、『ロゴを使ってもいいし、カンヌで賞をとった作品を奈良に持って行ってもいい。コラボしていこう』」と成立経緯を明かす。そして「日本では若手監督がいろんなところで苦労しています。世界の第一線で活躍している人たちに触れる機会が、我が国は極端に少ない」と“映画愛”ゆえの注意喚起をうながし、「そこに風穴を開けるというのが、今回の趣旨です」と説明した。

 さらに、「日本の俳優は素晴らしい。ただ、世界で活躍する場が極端に少ない」と見解を述べ、「作り手が、役者が持っているものを存分に引き出すことに、向き合えていないのかなと思うこともあります」と神妙に語る。続けて「映画だけではなく舞台でも、ものすごい実力の方がいっぱいいます。しかし優秀な人たちは、海外に拠点を移していることが多い。どうして日本という自分たちの場で出来ないのだろうと、監督として思うこともあります」と、環境づくりへの自戒の念も込めて話していた。

 なお、「Road to Cannes 〜カンヌへの道〜」では一般公募で参加希望者を募り、「なら国際映画祭2016」開催中に制作合宿を敢行予定。詳細は公式HP(http://www.shortshorts.org/2016/ssff_nara2016/)に掲載中で、6月17日まで応募を受け付けている。