バイト女性を役員に…人を使い捨てにしない会社はここが違う
 雑用アルバイトから、たった5年で専務取締役になった野口昌代さん(昭和48年生まれ)。前回の記事では、その働き方について話を聞きました。
※前回記事:雑用バイトから5年で専務になった女性の「働き方」4ケ条 http://joshi-spa.jp/518915

 ですが、野口さんがバイトとして飛び込んだフローリストストウ(明治25年創業の生花販売会社)がとてもホワイト企業だったからこそ、頑張りが認められたともいえるでしょう。

 あからさまなブラック企業はすぐにわかると思いますが、ホワイトかグレーかを見分けるのは難しい。人を大切にするホワイト企業はどこが違うのでしょうか?

◆目先のお金に惑わされない商売をしている

「私は今の会社に入る前、他でもアルバイトの経験はあります。ここはものすごく目先のお金にこだわっていたんです。

 50万円使うお客様より100万円のお客様をあからさまに大事にする。でもそこに500万のお客様が来たら、100万のお客様を捨ててそちらをチヤホヤします。

 どのお客様も少しフォローをすればいいことなのに、そうしない。

 今日明日のお金を稼ごうとするところは、ダメですね。私が勤めていた店は、どちらも今、存在しません」

 とある会社の社長は「100万の仕事は1回きり、でも3万の仕事はずっと続く」と言っていました。小さな仕事でもコツコツと積み上げていく姿勢が、結果的には大きな売り上げになるのでしょう。

 個人も会社も、「楽に稼げる方法なんてない」んですよね。

◆顧客ひとりひとりを大事にしている

「うちには、50年くらい働いている人もいるんです。

『おもてなしとは、表と裏がないからおもてなし』なのだそうです。3000円の花を買うお客様と、1万円のお客様とで、対応を変えない。

 3000円のお客様は何十年もずっと買い続けて下さるかもしれない。ここが、前に私が勤めていた他のアルバイト先との考え方の違いだと思います。ひとり一人のお客様を同じように大事にすること。

 うちの会社のオペレーターは、たとえ1000円の花束の注文でも、お客様と電話でずっと談笑をしているんです。そうしたコミュニケーションの中から、信頼を得ていく。

 100年続く会社の秘訣は、お客様への精神にあるのだと感動しました」

 社員が長く勤めていることも、ホワイト企業かどうかの見極めのひとつですよね。でもその前に、どんな顧客も大事にしているかどうかがポイントのようです。

◆誠実に働けば、上の誰かが見てくれている

「上司には恵まれませんでした。

 私が調べて作った資料と企画書を上司に渡したら、自分の名前で社長に報告するんです。それだけならいいのですが、『俺はこう思っているんだけど、野口が反対していて』と、事実とは逆のことを言っていたんです。

 急に上司の仕事ぶりが変わったことを怪しんだ社長が私のところに来て、事実確認をさせられました。

 部下の成功は上司のものでもあるので、企画書を上司の名前で提出するのはかまいません。でも事実と異なることを言ってはいけませんね。

『それなら言わせていただきますが、事実はこうです』と社長に報告しました。結局、その上司には会社を辞めていただくことになりました」

 野口さんが周りからの信頼を得ていたからこそ、その上司のウソがばれたのでしょう。人を悪く言う人は、結局自分の評価を落としてしまうのかもしれません。

 この会社に雑用バイトとして入るとき、「とにかくすぐに働けるところがいいと思って、時給はまったく気にしなかった」という野口さん。ちょっと見、待遇の良さそうな会社が、ホワイト企業だとは限らないんですね。

<TEXT/和久井香菜子>