今週5月22日(日)は、東京競馬場で牝馬クラシックレースの最高峰・GIオークス(芝2400m)が行なわれる。桜花賞(4月10日/阪神・芝1600m)の勝ち馬、ジュエラーは骨折により回避し、断然の1番人気だったメジャーエンブレム(4着)は先週のNHKマイルCに矛先を変えたことで、ハナ差2着だったシンハライトの1番人気が予想される。

 しかし、GI桜花賞不出走組からも魅力的な馬が多数参戦する。その中から、GIIフローラS(4月24日/東京・芝2000m)を制したチェッキーノ(牝3歳、美浦・藤沢和雄厩舎、父キングカメハメハ)を取り上げよう。

 チェッキーノはここまで4戦3勝。昨年11月の新馬戦(東京・芝1400m)では2着に敗れたが、重馬場でも上がり3ハロン34秒8のメンバー中最速タイムを計時した。続く2戦目(中山・芝1600m)は豪快な差し切りで2馬身差をつけて初勝利を挙げると、続くOPアネモネS(3月12日/中山・芝1600m)も差し切って快勝。GI桜花賞の出走権を獲得したが、疲労が抜けず回避し、前走のGIIフローラSを勝利してここに臨んできた。

 それまで1600mで連勝していただけに、初距離となった2000mを不安視する声もあったが、中団から進んで直線で差し切るいつもの競馬で快勝。勝ちタイムの1分59秒7は同レースのレコードで、前身の4歳牝馬特別を含めて、このレースが芝2000mになってからは1992年キョウワホウセキの3馬身1/2差に次ぐ3馬身差という圧勝。自身としても過去最高の走りを見せた。

 3歳上の全兄コディーノはGIII東京スポーツ杯2歳Sなど重賞2勝の実績を誇り、クラシック候補と注目を集めたが、気性の激しさからGI勝利には至らず、疝痛(せんつう)のため非業の死を遂げた馬。母ハッピーパスはGIII京都牝馬S勝ち馬で、母の姉シンコウラブリイもGIマイルチャンピオンシップ勝ち馬というマイラー牝系だが、チェッキーノは前述のように芝2000mでベストパフォーマンスを披露し、レースでも気性面の不安を感じさせない走りを見せている。この時期の3歳牝馬戦線は、血統に関わらず、絶対能力と気性の素直さで距離を克服するケースが多く、2400mの距離は問題ないだろう。

 父キングカメハメハは言わずと知れたダービー馬(2004年)であり、リーディングサイアーにもなっている(2010〜11年、現在はディープインパクトに次ぐ2位)。昨年の2冠馬ドゥラメンテや3冠牝馬アパパネなど、産駒は2400mのGIでも実績を残しているし、チェッキーノ自身はドゥラメンテやローズキングダム(GIジャパンC)と同じく、母の父はサンデーサイレンス。配合も申し分ない。

 一線級の相手は今回が初めてとなるが、フローラSで3馬身差を付けたパールコードは、ミモザ賞(3月27日/500万下、中山・芝2000m)で、後にスイートピーS(5月1日/東京・芝1800m)を勝利し、オークスにも出走するジェラシーを破っており、決して弱い馬を相手にしてきたわけではない。ここまでの4戦すべてで、上がり3ハロンのタイムはメンバー中最速を計時しているのも優秀で、ここに入っても勝ち切る実力の持ち主だろう。大一番でも中心視したい。

平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki