親が子どもに身につけさせるべき“スキル”は●●力!

写真拡大

親として子どもに伝えたいことは沢山ありますが、みなさんが我が子に“一番伝えたいこと”は何ですか?

また、人生をたくましく生き抜いていくために必要なスキルとは何だと思いますか?

きっと、人それぞれに色々な考えや、答えがあることと思います。

今回は、私が考える“子どもに一番教えたいスキル”について、その理由と共にお話していきたいと思います。
子どもに一番伝えたい“仲直り”というスキル
この世に産まれた全ての人は、当然、聖人君子や万能の神様ではありませんから、何度も間違いをおかしてしまうものです。ときには人を傷つけたり、怒らせたりしてしまうこともあるでしょう。

暴走した感情に任せてひどい言葉を相手に投げつけたり、手を出してしまった後に流れるばつの悪さや後味の悪さなどは、小さな子どもはもちろんのこと、立派に成長した大人でさえも無縁になるのは難しいことですよね。

小さな子ども同士のケンカも、大人同士の激しい言い争いも、国同士の戦争も、元をたどればすべて同じところに行き着きます。それは、異なる価値観に対する理解の足りなさと、思いやりの無さが原因ではないでしょうか。

そんな暴走する自らの感情を鎮静させ、相手を受け入れる覚悟をするための知恵こそが“仲直り”ではないでしょうか? だからこそ、“仲直り”が、人生をたくましく生き抜いていくために、最も必要なスキルだと私は思うのです。
仲直りするために必要な美徳
一口に“仲直り”と言っても、そこには複合的なスキル、言い換えると、培っているべき美徳が要求されます。

そして、それらの美徳は、人生を愛する人々と共に美しく充実させるために、子どもたちには是非とも持っていてほしいものです。

▼“仲直り”するために必要な美徳1・・・素直さ

ケンカした相手と仲直りするためには、まずは自分が素直になる必要があります。「間違っていた」と認める素直さは、仲直りという局面のみならず、色々なタイミングで必要になってきます。

素直じゃないと目上の人の意見を聞き入れることができません。素直じゃないと人から愛されません。そして何より、素直じゃない子は自分にいつも嘘をつくことになるので、自分を好きになれません。

▼“仲直り”するために必要な美徳2・・・謝罪できる勇気

自分の間違いを認め、さらにそれを相手に表明するには勇気が必要ですよね。小さな子どもを育てている方や、ご自分の小さな頃を憶えていらっしゃる方はお分かりになるかと思いますが、「自分が悪いことをした」という自覚があればあるほど、人間というのは謝ることが難しくなります。

間違いを認め、それを他人に表明する勇気があれば、子どもたちが生きて行くなかで直面するさまざまな困難にも頼もしく打ち勝つことができるでしょう。

▼“仲直りするために必要な美徳3・・・許し合う心

正義感が強いというのは一つの美徳ではありますが、ともすると、誤りを追求するあまり自分にも他人にも厳しくなってしまいます。そもそも人と争うという局面では、自分の正しさを主張しがちです。

「自分も相手も正しくないかもしれない。でも、そういうこともあるよね」と許す心を持つ子は、優しい子になります。

▼“仲直りするために必要な美徳4・・・違いを認める寛容さ

「人と自分は違う」、そんなシンプルな事実を小さな子ほどよく分かっています。彼らは公園の平均台の両端からそれぞれスタートして、ばったり向かい合う形になっても、上手に相手をよけて楽しく遊べる柔軟性があります。

しかし、ひとたび成長すると「自分はこの方向に行きたいのに、邪魔だな」という非寛容さが出てきてしまいます。そうならないためにも、「自分はこっちに行きたいんだけど、この人はあっちに行きたいんだな」と、あっさり認める寛容さは持ち続けたいものです。
仲直り”の教え方
▼「ハイ」を言える子になると、素直になる

小さな頃から、素直に「ハイ」と言える子に育てましょう。「ハイ」という言葉は魔法の言葉です。この返事をするだけで、目上の人の教えを素直に聞く姿勢が整います。そして「ハイ」を言える子は、目上から愛され、引き立てられます。

我が家では、子どもから「ハイ」という言葉が出たら、「ハイって言える子はとってもえらいなあ!」と何度も褒めることで教えることができましたよ。

仲直りの気持ちよさを覚えてもらう

親も子も、言い争いをすると意地になってしまい、しばらく険悪なムードになってしまったりしますよね。

でもそこは、親の方がぐっと折れてきっかけを作ってあげるようにしましょう。我が家ではそんなとき、こんなふうに言います。「ママ、仲直りしたいなあ。だからお話しない? 今が嫌だったら、あとでお話できるようになったら来てね」と言ってしばらく放っておくと、子どもの方からばつが悪そうにトコトコとやってきます。

そのときに、お互い「ごめんね」と謝ってからギュッとハグをしたりして、「ああ、よかった! ●●ちゃんと仲直りできて、ママはほんとうに嬉しいなあ。だって●●ちゃんのこと大好きだから」と、仲直りできた嬉しさを笑顔と共に伝えます。

「ごめんね」の先には、こんなふうに暖かな時間がある。それを繰り返しているうちに、子どもの方から「ママと仲直りしたい」と言ってくるようになりますよ。もちろんそのときは、「ちゃんと反省しているの?」なんて言わずに、笑顔とハグで受け入れてあげてくださいね。
仲直り = 自分との仲直り
仲直りのスキルとは、言い換えると「間違った自分を認めて、許すスキル」とも言えそうです。「間違うことは誰にでもある」というときに、自分を許して、他人を受け入れられる子はどこでもたくましく生き抜いていけることでしょう。

子どもたちにとっての仲直り経験の第一歩はママやパパからです。ですので、“心温まる仲直り”を是非教えてあげてくださいね。仲直りの苦手なママやパパは、お子さんと“仲直り”を練習してみてください。きっと素敵な経験ができますよ。

­

<プロフィール>

mica

シンガポール在住、三姉妹と男子、計4人の母。

元ギャラリー勤務のアート好き。趣味は美術鑑賞と夫とのお泊りデート、薬を使わない台所手当て。子ども達が楽しむ後ろ姿を眺めること。­

ブログ http://ameblo.jp/tamken4930­

ItMama ­http://itmama.jp/author/mica/