【連載:映画で分かる女の本音】〜目指すは恋愛に鈍感な隠れ小悪魔女子!?〜『ちはやふる 下の句』

写真拡大 (全5枚)

漫画原作の映画化が続くなかで、ひときわ話題となっているのが『ちはやふる』。

主人公は競技かるたに情熱を燃やす高校生の綾瀬千早(広荑すず)。

小学生のときに仲良くなった真島太一(野村周平)と綿谷新(真剣佑)との友情や淡い恋心、それぞれが成長していく姿が描かれる群像劇で「ああ、青春っていいなぁ」と、何かに熱中することの素晴らしさを再確認させてくれる映画です。

ですが、今回この作品をピックアップした理由は、千早と太一と新の恋の三角関係から大人女子の恋愛に繋がるヒントを得よう! というわけではなく……。

というのも、千早は残念ながら恋愛に関しては超鈍感(苦笑)。

自分に夢を持つことを教えてくれた新、幼なじみでいつも傍にいてくれる太一、2人のことは大好きだけれど、彼らと一緒にかるたをすることも大好きで──。そんな猪突猛進、一生懸命な姿に男は惚れるんですね。

そうなんです、千早自身はまったく意識はしていなくても、自然と周りの男子を惹きつけてしまう魅力を持っている。“隠れ小悪魔”とでも言うのでしょうか。

世の中には「好きになった男子を落とすための方法」として恋愛の指南書が溢れかえっていますが、この映画を観てふと思ったのは、メールやSNSの返し方がどうとか、デートで着て行く服がどうとか、可愛い女子を演出するためにはどうしたらいいかとか、それも大事ですよ、大事ですが、千早のように何かに打ち込んでいる姿を見せるだけで、それが引き寄せになるんだなぁと思ったわけです。

 

自分の狙った相手(好きになった人)を引き寄せられるかどうかはまた別問題ですが、頑張っている自分を認めてくれる、受け止めてくれる、応援してくれる人というのは、人生のパートナーとして最適なのではないかと。

 

驚いたのは、この原作は少女コミックであるにも関わらず男子人気も高いことです。しかも中間管理職のサラリーマン層の読者も多いのだとか!

 

競技かるたは性別を問わず小学生から高齢者まで幅広く、畳の上の格闘技とも形容されるスポーツでもあり実はスポ根! また、映画の「下の句」では個人の強さがチームの強さになることが描かれ、青春群像のなかに会社組織でチームを引っぱるためのヒントがある。

だからサラリーマンにもウケている。もしかすると、恋愛一色ではないヒロインは、働く男にとって魅力的なのかもしれません。

男性ウケするということは『ちはやふる』を会話のきっかけにするのもアリですね。

 

本日の女の本音としては──自分は策略家女子タイプじゃないなぁという人は、千早のように一生懸命に何かに打ち込む姿で勝負する、引き寄せ女子路線を試してみる価値はあるのではないかと。

男女問わない“習い事”の場を見つける、仕事のなかで何かスキルアップを試みる……いろいろありますが、一生懸命さというのは自然と滲み出てくるものだと思うので、毎日の生活のなかで掃除に力を入れる、料理に力を入れる、そういうことでも変化を得られそうな気がします。

 

あ、でも危険なのは、つい一生懸命さをアピールしがちなこと。

「私、こんなに頑張ってます!」がバレてしまっては、おそらく効果半減。そのさじ加減も千早を真似たいものです。

 

(C) 2016 映画「ちはやふる」製作委員会
(C) 末次由紀/講談社