デビュー曲の『MOONLIGHT to DAYBREAK』

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この春より、フジテレビ系『MUSIC FAIR』の新司会者となった仲間由紀恵。レギュラーの音楽番組司会は今回が初挑戦となる彼女、元々はアイドル歌手だったことをご存知だろうか?

篠原涼子も在籍していた「東京パフォーマンスドール」に加入


デビュー当初はアイドルとして活動していた仲間由紀恵。1994年より地元・沖縄でローカル活動を開始した後、翌95年頃にはアイドルグループ、東京パフォーマンスドール(TPD)に在籍している。篠原涼子や、『DA.YO.NE』の大ヒットで知られる市井由理らが在籍していたことで知られるグループだ。
もっとも当時のTPDは主要メンバーも抜け、自然消滅寸前。メンバーの正式な人数も曖昧な状態だった。1995年12月発売のライブビデオでは、研修生としてバックダンサーを務める仲間由紀恵の姿も確認できる。

小室ファミリーとして歌手デビューした仲間由紀恵


1996年6月には『MOONLIGHT to DAYBREAK』という曲で歌手デビューを果たしている。この曲は、小室哲哉のフジテレビ系深夜番組『TK MUSIC CLAMP』のエンディング曲だったのだが、元々は仲間の曲ではなく、多くのアイドルが週替わりで歌っていたもの。矢田亜希子や前田愛・亜季姉妹、坂下千里子、佐藤仁美、榎本加奈子ら、今も活躍中の面々も初々しい歌声でこの曲を披露している。
同年5月のオンエアでは、歌手デビューを記念して小室哲哉がギターで参加する形でスタジオライブを披露。小室ファミリーとして待望のデビューを飾ることとなった。

もっとも、当時の小室は“当時の恋人”華原朋美や、“後の嫁”asami在籍のユニットdos、“後の後の嫁”KEIKO在籍のユニットglobeなどのプロデュースで多忙を極めていたためか、プロデュースは小室の右腕的存在だった久保こーじが担当していた。
仲間由紀恵は“B級アイドルキラー”小室の好みのタイプではなかったのだろうか? 結果、オリコンチャートは74位。暗雲立ち込めるデビューである。

活躍の場はゲームやアニメだった仲間由紀恵 声優デビューも


歌手デビュー後の主な活躍の舞台はゲームやアニメといったオタク系路線。1996年12月にはPS用恋愛シミュレーションゲーム『トゥルー・ラブ・ストーリー』の主題歌を、1997年8月にはPS&セガサターン用アクションゲーム『ロックマンX4』のオープニング&エンディング曲を担当。それぞれのイメージキャラクターも務めていた。
1997年4月にはテレビ東京系のアニメ『HAUNTED じゃんくしょん』ではオープニング&エンディング曲を歌うとともに、主役級のキャラクターで声優デビューも果たしている。

このアイドル歌手時代は久保こーじの元で7曲をリリースしているが、肝心の歌声は可もなく不可もなくで、楽曲もどこかで聞いたことのあるような曲ばかり。オリコンでの最高位も70位止まりと芳しくない。
しかし、もしこの路線で成功していたら、現在の国民的女優としての地位はなかったのかも知れないのだから、結果オーライだろうか!?

ちなみに、所属事務所の公式プロフィールにはアイドル歌手時代のリリース歴もしっかりと記載されている。とかく、過去を封印しがちな芸能界においては異例のことだ。
「楽観的でマイペースな性格」と自身を語ったこともある仲間由紀恵。この時代もきっと楽しい思い出に違いない。
(バーグマン田形)

※イメージ画像はamazonよりMOONLIGHT to DAYBREAK