日本の生地工場を見て分かった! 中国で日本のような高品質製品を作れない根本的な理由

記事は、日本にある従業員50人ほどの小さな生地工場を視察したことを紹介。作業員と話をする中で「深い印象を覚えた」こととして、第一線で働いている作業員の多くがキャリア20年以上のベテランで、最長者は30年の経歴を持つ点を挙げている。
また、工場の社長が「操業開始以降、転職する人は少なく、多くの人がここの工場一筋である」と説明したとし、まさに経験豊かなベテランたちによって製品の品質が安定していると解説した。そして、ベテラン作業員たちは仕事に対する責任感が極めて強く、細かな問題でも見逃すことなく、問題を見つければ前の工程に送りかえすと伝えた。
記事は、中国が世界一の生地生産大国である一方「ハイレベルな生地はなおも日本などからの輸入を余儀なくされている」と指摘。中国で現在使用されている機械はすでに外国となんの区別もないにもかかわらず、製品の品質に大きな差が生じている背景には、「匠の精神」を持つ人材の不足があると論じた。
そして、「われわれは製造大国の名に自己陶酔してはならず、製造強国に向けてより多くの『匠の精神』人材を育てなければならない」としている。
中国で国家戦略化された「匠の精神」の培養。戦略や計画を立てるのは簡単だが、どうやって「匠の精神」を養う教育を展開するかについては熟慮が必要だ。時として利益を二の次にしても、1つのことを愚直なまでに追求し、極めることを美徳とする社会風潮を作りあげるところから始めなければならない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)