10日、新宿区・早稲田大学大隅庭園で田植えを体験するNPOメンバーと学生。(撮影:比嘉杏里)

写真拡大

早稲田大学の学生NPO農楽塾主催の「大隈庭園に田んぼを作ろうプロジェクト’05」が10日、東京都新宿区の早稲田大学大隈庭園で行われ、NPOメンバーや学生ら約20人の参加者が田植えをして、普段の学生生活では体験できない農作業を楽しんだ。

 同プロジェクトは「早稲『田』大学なのに田んぼがないのはなぜ?」という疑問を持った同NPOメンバーが「早稲田にシンボルの稲を復活させよう」と立ち上げたのが始まり。04年2月に約6.6平方メートルほどの田を開墾、5月に苗を植え、9月の刈り入れでは脱穀から精米までを手作業で行った。その後、大学近くの喫茶店を借りきり、玄米を炊いて収穫祭を祝った。

 2回目となる今年は、昨年より広くなった約10平方メートルほどの田に水をいれ、土となじませる「しろかき」を経て、田植え作業を行った。使用する稲は新潟県岩船郡朝日村早稲田で早稲田大学出身者が作っているコシヒカリ「早稲田米」で、今年は約6kgの収穫を見込んでいるという。参加者らはジャージの裾を膝までまくり上げてはだしで田に入り、NPOメンバーのアドバイスを受けながら、手足を泥だらけにして苗と奮闘していた。

 教育学部2年の川村泰裕さん(20)は「今注目されている食育に興味があって」と参加の理由を話し、法学部2年の遠藤隆さん(19)は「早稲田に田んぼがないのはおかしい、と言って実際に作ってしまうのが、早稲田らしくて好き」と楽しそうに語った。

 同NPOの臼田華奈子代表によると、今後は水管理や田の生物調査を行い、地域の子どもたちと稲作を通しての交流も予定している。【了】