海外でのホテル選び 絶対失敗しないためのチェックポイント

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 旅行は計画を立てているときが一番楽しい。

 旅行計画の楽しさは、何と言ってもホテルや観光、現地での移動手段、食事など、インターネットや雑誌を駆使したさまざまな情報収集だ。「こんな場所にも行ってみたい!」、「現地はきっとこんな雰囲気なのだろう」と空想に耽るだけでも旅気分を味わえるもの。そんな自分らしい旅を計画するなら、何かと規制の多いパッケージツアーよりも個人旅行のほうが適していると考える人も多いはずだ。

 『理想の旅は自分でつくる! 失敗しない個人旅行のつくり方』(酒井修一著、ダイヤモンド社刊)によれば、近年、日本人の海外旅行客の団体ツアー旅行離れが進んでいるという。

■目的を明確にすると、旅は俄然おもしろくなる
 個人旅行は、団体旅行に比べて自由度が高い分、うまくいけば文字通り「他では実現できない自分だけの旅」が実現できる。しかし、旅慣れていない人にとっては、いきなり海外旅行を自分で計画するのは至難の業だ。

 そこで本書の内容を参考にしながら、ここでは個人旅行初心者が旅行のプランを立てる際に「ここだけは外してはならない」という二つのポイントをご紹介しよう。

 まず重要なのが、旅の目的を明確にすること。
 これが定まっていないと、「行くこと自体」が目的化してしまい、旅先でひたすらカメラのシャッターを切って終わりということになりかねない。このような旅はホテルや航空機、移動など、ちょっとした不満が出るとすぐに旅自体がつまらなかったように感じてしまうもの。しかも一つひとつに特に思い入れがないため、帰国してしまえば現地での記憶の多くは薄れてしまうだろう。場合によってはどこの観光地に行ったかすら思い出せないこともあるかもしれない。
 あらかじめ「そこで何を見て何を感じるか」をはっきり決めておけば、旅を終えたときの達成感や満足感が大きくなることは間違いない。

 本書によれば、ここでいう「旅の目的」は、何も大それたものでなくてもいいという。
 例えば、「フランスのワイン産地を巡りたい」といったグルメ目的の旅、「美術館めぐりがしたい」といった芸術鑑賞を目的とする旅、「F1観戦をしたい」、「フルマラソンに参加したい」など、スポーツイベントの観戦や参加を目的とした旅、さらには「オーロラを見たい」といった自然に触れ合うための旅など、旅行者が素直に「これがしたい」と思えるものであれば充分だという。

■ホテル選びで重視すべきはロケーション
 旅の計画を立てる際のもう一つのポイントは、旅の目的に合ったホテルを選ぶこと。これにより、無駄な移動を省いた、合理的な旅程をつくることが可能になるからだ。

 ではホテル選びにおいて、最も重視すべき点は何かといえば、ロケーション(立地)である。旅慣れしていない人ほど、ついホテルの宿泊料金などを基準にホテルを選んでしまいがちだが、旅先での自分の行動パターンにふさわしい立地にあるホテルを選ぶことを最優先にしたほうがいい。

 ハワイを例にとれば、ワイキキビーチでの海水浴を楽しみたい場合と、ショッピングを楽しみたい場合とで、選ぶべきホテルは異なる。
 海水浴を楽しみたい場合は、もちろんワイキキビーチの目の前の一等地に建つシェラトン・ワイキキなどのホテルを選ぶのが好ましい。ショッピングを楽しみたい場合は、アラモアナ・ショッピングセンターの近くにあるホテルに泊まったほうが快適だろう。
 ショッピング目的の旅なのにワイキキビーチ付近のホテルに泊まってしまうと、ショッピングセンターまでの移動時間でかなりの時間を浪費してしまうはず。これは、旅において省くべき無駄なのだ。

 本書では、「イエローナイフで神秘的なオーロラを見て、その後バードウォッチングを楽しむ」「ぶどうの収穫風景を追ってボルドー、ブルゴーニュを訪ねる」「スペインで、夢のギター工房巡り」など、著者の酒井さんが代表取締役社長を務める旅行会社、パーパスジャパンがこれまでに手がけてきた、数々の個性的な例も紹介されている。また、海外旅行で想定されるトラブルとその対処法も紹介。
 これから個人旅行をしてみたいという人にとっては、刺激にあふれた一冊だろう。
(新刊JP編集部)