女性誌『Suits WOMAN』で注目を集めた「貧困女子」。これは普通の毎日を送っていたのに、気がつけば“貧困”と言われる状態になってしまった女性たちの体験談。

今回お話を伺ったのは・今関明子さん(仮名・40歳)。職業は派遣社員で、現在は新宿区内にある食品メーカーの営業補助として週5で働き、月収は19万円。

「35歳まで大手のPR会社の正社員でした。月収は手取りで40万円、ボーナスもあり年収は600万円ほどありましたが、朝7時から終電まで働くというハードな生活に、プチうつになって、完全に燃え尽きて退社しました」

業務内容を詳しく聞くと、ひとりで10社のクライアントを担当し、いずれもミスがあってはならなかったと言います。

「決定的だったのは、金融関連会社のPRを担当していたのですが、そこの会社の親会社が大手の銀行だったんです。孫会社とはいえ金融庁の管轄のために、ミスをすると5年間は顛末書と書類を保管しなくてはならないとクライアントの担当者から脅されていたので、みんなピリピリしていました。しかしそこのチームだった私が多忙過ぎて、お客様を招待して行なうイベントで大きなミスをしてしまったんです。パンフレットの内容と写真がちぐはぐになっており、お客様は混乱し、担当者の男性が激怒。チームリーダーと私が呼び出され、5分間も土下座しました。今思うとすごいパワハラなのですが、お客様は神様ですからね。そういう業界に13年間もいて疲れ果てて、燃え尽きました。

私、当時上司と不倫をしていて、彼の役に立ちたいと焦って、いろんな案件を抱え込んで自爆してしまったんですよね。仕事ができないと彼に嫌われる、会えなくなるという恐怖を常に抱えていました」

自分に自信がないから、恋愛と仕事の能力を一緒に考え、暴露爆撃をしかける……

個人的な感情である恋愛と、仕事は別問題だと多くの人は考えています。しかし、その線引きが明子さんにはできない。これは優等生として生きてきた女性にありがちな特徴。それゆえに、明子さんが退社したのは、この恋愛問題のこじれもあったといいます。

「度重なるミスで、ウチの会社が切られることになってしまい、不倫関係にあった彼が私によそよそしく当たるようになったんです。夜、食事に誘ってくれなくなったし、当時中目黒に住んでいたのですが、私の家に来ることは来るのですが、私が作ったご飯にちょいちょい箸をつけて、2時間くらいで帰ってしまう。彼が私を明らかに疎ましく思っているのが全身から漂っていました。

でも、私は彼に捨てられたくなかった。というのも、今まで付き合った人の中で、一番私を成長させてくれるし高めてくれる。それに男としても魅力的でした。京都の一流大学出身で、大手広告代理店からウチの会社にヘッドハンティングされて、年収は2千万円近くありました。サッカーが好きで、自分もプロと肩を並べるくらい上手。有名な選手と仲がいいのも驚きでしたね。息子さんは10歳で、有名大学の付属小学校に通っていました」

しかし3年の交際期間のうち、2年半の間は、明子さんのところで食事をしワインを飲んでも、1円も払わなかったと言います。

「恋が始まった半年くらいは、全部出してくれたのですが、私が彼のことを追いかけるようになってからは、何もしてくれなくなりなした。結局3年間付き合ったのですが、バレンタイン、誕生日、クリスマスプレゼントのお返しをもらったことは一度もありません。彼がフロリダに出張に行くときに、私は自腹でチケットを買ってついて行ったことがあるのですが、奥さんのお土産に宝石店のゴールドのブレスレットを買っているのに、私には何も買ってくれなかったんですよ。現地でも全然かまってくれないし。だから会社をやめるとき、社長に不倫関係を暴露するメールを送りました。その後、どうなったかは知りません」

明子さんは『russet』のトートバッグを握りしめながら、悔しそうに語ります。彼女の髪の毛はボサボサのセミロング。シワだらけのデニムシャツに、毛玉だらけのグレーのガウチョパンツ。明らかに3足1000円と思しきレースの白ソックスに、ベージュの合皮のレースアップシューズを履いています。肌はガサガサでしぼんでいるのにぽっちゃり体型。明子さんの人間的なオーラは明らかに弱く、過去の話とはいえ“仕事できてカッコいいオレ”と心のどこかで思っている、会社役員の男性が選ぶタイプとは思えません。

「私、本命になれないんですよ。なんでかな……? あ、直近でそういう関係になったのは、行きつけの飲み屋さんで知り合った同じ年の独身男性。彼は他人に全く興味がない人で、休みの日にデートに誘うと“休みの日はプールに行って家の掃除をする”と断られてしまうんですよ。でもその人は、男友達とライブに行ったり、丹沢でトレッキングを楽しんだり、横須賀に軍艦を見に行ったりしているんです。Facebookは全然UPしてないので安心していたのですが、インスタではプライベートを満喫していて、驚きました」

明子さんは、この“行きつけの飲み屋”に毎月10万円くらい払っていると言います。

愛されいると思って、手を伸ばしてもそれはすぐ沖へ行ってしまう。寄りかかるほどに煙たがれる恋愛と、報われない仕事に疲れ果て、35歳でPR会社を辞職した貧困女子は、結婚相手を求めているのに、不倫を繰り返してしまう。

私のことを愛してほしい……「【貧困女子】40歳・独身・不倫体質。飲み代は毎月10万円、寂しさを埋める飲酒と深夜徘徊」〜その2〜へ続きます。