多摩動物公園(東京都日野市)の名物「ライオンバス」がバス発着場の耐震工事のため、2016年3月31日でラストランをむかえた。1964(昭和39)年のライオン園開園と同時に始まった、バスによるライオンのサファリ式観覧「ライオンバス」。52年もの長い間走り続けてきたライオンバスの、最終日の様子をレポートする。



多摩動物公園は第二次世界大戦後、上野動物園の入園者数が増加したため、第二の上野動物園という位置づけで建設され、1958(昭和33)年5月5日にオープンした。
1964(昭和39)年にはライオン園が開園、ライオンバスの運行も同時に開始された。


ライオン園の広さは約1ヘクタール。檻の中のライオンを見るのではなく、放し飼いされた群の中にバスで入っていく観覧方法を世界に先駆けて開始した。発案者がケニアのサバンナでジープに乗って野生動物を見たのがヒントになったのだという。モスクのような建物も、ケニアの首都ナイロビのモスクをモデルにしている。

ライオンバス ラストラン当日の様子は



2016年3月31日(木)、ライオンバスの運行最終日。
この日は開園前から多くの来場者が列を作り、通常9時30分の開園時間が10分早い9時20分になった。


開場と同時に、ライオンバスめがけて走り出す人々。
さすがに最終日ということもあり、この日は開場と同時に入場したほとんどの人々がまっすぐライオンバスへと向かっていた。


あっという間にチケット購入の列ができていた。


チケットを購入するための機械は2台。行列はどんどん増え、ライオン園の外周に沿って伸び続けて行く。料金は大人360円、3歳から中学生・65歳以上100円だ。


桜の花も咲き始めていた。ライオン園名物のモスクのような建物も、これで見納めになる。


最終日のライオンバス。


天気がいいのでライオンたちものんびりした様子だった。


ライオンがバスについたエサを食べに寄って来る。バスの中から見ると本当に迫力満点だ。この様子も、しばらくは見ることができなくなる。

この日、ライオンバスに乗った方へお話をうかがってみた。


数年ぶりにライオンバスに乗ったというN・Yさん(右)とI・Hさん。
「子供のころには来たことがあります。遠足とかで」。昔の事ではっきりとは覚えていなかったというが、今日でしっかりと記憶した、と語るお2人。1時間ほど並んだが、ライオンバスが混んでいるのはウワサで知っていたので覚悟して来たという。


E・Kさん親子は今回が2度目のライオンバス。はじめは台の上にライオンがいなかったが、タイミングよくメスライオンがやってきたので近くでライオンを見ることができたと教えてくれた。「ライオン、お顔が大きかった!」と笑顔だった。


ライオンバスに乗車した小学生までのお子さんには、記念バッチがプレゼントされていた。

福田園長にお話を聞いてみた


今回のライオンバスの耐震工事について、多摩動物公園園長の福田さんにお話を伺ってみた。


特に耐震性に問題があったというわけではなく、昭和56年以前の建築基準法で建てられたもののため、都の方針で建て替えることになったいう。現時点では平成31年度の再開を目指しており、再開までにはライオンの血統や健康を管理しつつ群れの充実をはかりたいと福田園長。


現在多摩動物公園には18頭のライオンがおり、運動場には体調などによって常時12頭ほどがローテーションで出ているが、工事中は進行状況により運動場へライオンを出せない場合もある。
設計図はまだ完成していないが、バスの駅舎は現在よりも少し奥の方になるかもしれないという。


ライオン園の名物のモスクのような建物も取り壊され、再開後は違う形の建物になるかもしれないというが、現在は計画段階でまだ未定だ。
4年後の平成31年度にはリニューアルされたライオン園で、再びライオンバスに会えるのを楽しみにしたい。

取材協力

多摩動物公園
〒191-0042 東京都日野市程久保7-1-1
電話 042-591-1611
http://www.tokyo-zoo.net/zoo/tama/

(すがたもえ子)