2016年クラシック候補たち
第9回:プロフェット

 年明けに開催された3歳馬の重賞、GIII京成杯(1月17日/中山・芝2000m)。牡馬クラシック第1弾の皐月賞(4月17日)と同じ舞台設定で行なわれた注目の一戦は、5番人気のプロフェット(牡3歳/父ハービンジャー)が勝利した。

 昨年8月にデビューした同馬は、初戦を快勝すると、2戦目でGIII札幌2歳S(2015年9月5日/札幌・芝1800m)に出走。将来が期待された素質馬が集う中、1番人気に支持された。

 レースでは、中団からそつのない競馬で抜け出すと、直線では2番人気アドマイヤエイカン(牡3歳)と一騎打ち。最後はハナ差の惜敗を喫したものの、勝ちに等しい内容の走りを見せた。

 しかし、続くオープン特別の萩S(2015年10月31日/京都・芝1800m)では馬体重が12kg減。それが響いて、5頭立ての5着に敗れてしまった。そこから立て直して挑んだのが、1月の京成杯だった。

 およそ2カ月半の休養を経て、馬体重も若干取り戻したプロフェットは、札幌2歳Sと同様にレースセンスの高さを披露。道中は先団の位置につけると、4コーナーで先頭を射程圏内にとらえ、そのまま直線では力強く抜け出して完勝した。

 見事、重賞タイトルを獲得したプロフェット。その後、レースを挟むことはなく、本番の皐月賞にはぶっつけで臨む。3カ月の休養を挟む異例のローテーションだが、同馬を管理するのは、名馬を数多く手がける池江泰寿厩舎(栗東トレセン/滋賀県)。この臨戦過程にも、きちんとした理由があるという。関西競馬専門紙のトラックマンがその詳細を伝える。

「もともと体質が弱く、食べる量も少ない馬なので、連戦できるタイプではないみたいですね。萩Sでの大幅な馬体減も、その辺に原因があったとのこと。ただ、そんな状態でありながら、上がり33秒5をマーク。陣営は『あのレースで能力の高さを再確認した』と言っていました。実際、立て直しを図った京成杯ではしっかりと結果を出しましたからね。実績十分の厩舎ですし、休養明けの本番に向けても、きちんと仕上げてくるのではないでしょうか」

 陣営としては、プロフェットにとってベストのローテーションを選択。そして、その決断は「スタッフが驚くほどの効果を見せている」と、先述のトラックマンが語る。

「京成杯出走時の馬体重は448kgでした。それが現在は、480kgを超えているそうです。体つきががっしりして、食欲も旺盛。『ここに来て、成長著しい』とスタッフは満面の笑顔を浮かべていました。さらに、そのスタッフは『ここまでよくなるとは思わなかったし、上位陣を崩せる手応えもある。"惑星"候補になったのでは』とにんまり。皐月賞で一発を狙っている雰囲気がひしひしと伝わってきました」

 今年の牡馬クラシックは、3戦3勝のサトノダイヤモンド(牡3歳)とマカヒキ(牡3歳)、そして2歳王者のリオンディーズ(牡3歳)の"3強"の様相となっている。だが、プロフェット陣営はその一角崩しを本気で狙っていて、その手応えも十分に得ているようだ。

 休養中に急成長を遂げて、虎視眈々と上位を狙うプロフェット。京成杯と同じ舞台で行なわれる大一番で、さらに進化した姿を披露するのか。ハイレベルな一戦であっても、軽視は禁物である。

河合力●文 text by Kawai Chikara