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●レーザー・光で1年ほどかけて脱毛するのが理想的
近年は女性だけではなく、男性でも脱毛をする人が珍しくなくなってきた。その一方で、ツルツルの肌に憧れながらも「どういった施術をされるのか」「痛くないのか」などと考え、最初の一歩がなかなか踏み出せずにいる人もいるだろう。

そこで今回は、南青山皮膚科 スキンナビクリニックの院長である服部英子医師の解説による医療機関での脱毛施術を踏まえつつ、複数の脱毛の種類と特徴を紹介しよう。

○レーザー脱毛と光脱毛の違いは波長

医療機関で行っている脱毛には、大きく分けて「光脱毛」と「レーザー脱毛」がある。まずはこの2つについて詳しく紹介しよう。

レーザー脱毛

レーザーを照射することで毛や毛根、周辺組織にダメージを与えて脱毛する。照射範囲は1〜2cmほどで、効率よく短時間の施術で終わる。人気がある部位の脇だと5分程度、同じく人気の膝下も体形にもよるが30分程度で施術が終了するという。太い毛や黒い毛に効果的で、脱毛効果も高い。
レーザー脱毛には毛のメラニンに反応させて、そのメラニンを"目印"として毛根を壊していくタイプと、直接深いレベルの波長域のレーザーを照射し、毛根自体を壊すタイプの2種類がある。色黒の人だと、メラニン反応タイプでは皮膚の色に反応してしまい、うまく脱毛できないケースもある。そのため、患者の肌の状態や色にあわせ、タイプを使い分けることがあると服部医師は話す。

エステティックサロンなどでレーザー脱毛機器を見た人もいるかもしれないが、脱毛レーザーは本来、医療機器だ。「脱毛は毛根を壊すわけで、正常組織を壊していくことですから、それは医療機器しかできないということ」と服部医師が話すように、レーザーを用いた脱毛は医療行為だという事実を体験前にしっかりと知っておこう。

光脱毛

レーザーとは異なる複数の波長を含んだ光を照射して脱毛する。レーザーよりも出力が弱いために痛みも少ないとされ、エステティックサロンなどでも取り扱い可能。照射範囲はレーザー同様広いが、施術前に冷たいジェルを患者に塗布するため、施術完了までは多少時間がかかる。
個人差があるが、レーザーや光でムダ毛が目立たなくなるためには、一般的に5、6回程度の施術が必要とされている。毛の生え変わるサイクル・毛周期とあわせて実施すると効率的で、「毛周期は2〜3カ月と言われているので、1年ぐらいかけてよくすると思っていただければ」と服部医師。

その他では「ニードル(電気)脱毛」も医療機関で行われている。毛穴に専用の針ニードルを1つずつ刺して、毛根に直接電気を流して破壊していくという方法だ。必要回数は毛の量や質で異なるが、上記2つでは対応できない日焼けした肌にも施術可能な点が特徴と言える。

●低年齢化が進む脱毛、中には小学生の患者も!?
一方で、自宅で「セルフ脱毛」できるものには下記のような種類がある。

■ワックス脱毛……脱毛のために作られたワックスを温めて肌に塗り、毛とワックスが接着する力を利用して、毛を毛根から抜く方法。近年では、VIOラインのアンダーヘアにワックスを塗って固め、ワックスと一緒に毛を引き抜く「ブラジリアンワックス」も有名になったが、デリケートゾーンのセルフ脱毛は一歩間違えると危険なため注意が必要。

■除毛クリーム……除毛クリームを毛が目立つ部位に塗布し、一定時間が経過してからクリームを洗い流すという手法。

このほかでは、家庭用脱毛器や毛抜き、カミソリなどが脱毛用器具として使用されている。

○高校・大学での脱毛デビューが多い

服部医師のクリニックに脱毛に来る患者は女性が圧倒的に多いが、近年は「10代、それも小・中学生ぐらいの患者さんもいらっしゃいます。親御さんの意識が高いからでしょうかね」と、低年齢化が進んでいるような気がすると指摘。

「高校・大学ぐらいで『ちょっと脱毛しようかな』というのが一番多いケースではないでしょうか。私たちのクリニックでは、20代から40代ぐらいまでの女性がメインですが、全体では50代までと患者さんは幅広いです。依頼で多い箇所は脇、膝下、肘下、VIOラインでしょうかね」。

○どこまでを"許容範囲"とするのか

永久脱毛というと、「一度脱毛をしてしまえば永久にムダ毛が生えてこない」と感じている人もいるかもしれない。だが実際にはそうではなく、「一定期間生えなくさせる・目立たなくさせる」という認識が正しい。

ただ、「目立たない」と感じるのはあくまで当人の主観。どこまでを"許容範囲"とするのかを明確に決めたうえで脱毛に挑むようにしよう。

※写真と本文は関係ありません

○記事監修: 服部英子(はっとり ひでこ)

東京女子医科大学卒業。皮膚科専門医。日本皮膚科学会、日本レーザー学会、日本臨床皮膚科学会、日本アレルギー学会に所属。大学卒業後に東京女子医科大学病院やJR東京総合病院の皮膚科に勤務した後、2005年より南青山皮膚科 スキンナビクリニックの院長を務める。

(栗田智久)