若い女性に多く、精神的ストレスでなり得る スマホ症候群 「後頭神経痛」とは

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p>執筆者:南部 洋子(看護師)
監修医:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)

最近「スマホ症候群」として話題になっている後頭神経痛。
若い女性にこの症状が多くみられるのは、長時間にわたって、携帯電話やスマートフォンなどを見ているからだと思われます。

後頭部神経痛は、ストレスによって周囲の筋肉が緊張し、後頭神経が刺激された結果、頭痛になります。
長時間のパソコン操作・スマホでのゲームなど、猫背などで元々の姿勢に問題がある場合や、肩こりがある人の場合は、さらになりやすい傾向です。
雨が降る前に痛みが発生する、ということもあるようです。

「スマホ症候群」それは頭の血管が切れるほどの痛み!?


後頭部を走る神経に痛みが発生する神経痛の一種、後頭神経痛。
後頭部の、比較的皮膚の表面に近い部分が、急にチクチク、ビリビリと痛くなってきて、我慢できないくらいの痛みを訴えます。一瞬「頭の血管が切れた!」と思う人もいるようです。

後頭神経痛には、大後頭神経痛、小後頭神経痛、大耳介神経痛の三種類があります。

痛みの質や程度は同じですが、痛む場所がちがいます。多いのは大後頭神経痛で、三叉神経痛の4〜5倍もいます。

後頭神経痛の症状首から後頭部、さらに頭のてっぺんにかけて、キリキリと電撃的な痛みが繰り返されます。
間隔は、数秒から数時間で、一度痛み出すと、数日から数週間継続する場合もあります。

痛みは一瞬で、突っ走るように感じたと思ったら、すぐになくなるという特徴があり、しばらくすると、また痛みを繰り返すこともあります。

髪の毛の生え際で、耳の後ろから真ん中あたりを指で押すと、ウッ!とうなるほどの痛みを感じる圧痛点があり、これがあると、後頭神経痛の診断がつきます。

痛みのない間も、ジワッとした違和感、しびれている感じがあります。
痛み以外に吐き気などの症状はありません。

「スマホ症候群」の原因は精神的ストレスが多い!


精神的ストレスが原因の場合が多いのですが、もともと猫背の人に多くみられます。また、このような痛みは、肩こりや首のコリが強いときに起こりやすい傾向にあります。

これらの神経は、頭を支える頚部の筋肉の間から皮膚の表面に出てくるため、筋肉による圧迫を受けやすいためと考えられます。

治療方法は?


治療方法ですが、何もしなくても自然に消失することが多いようです。
痛みが強い場合は、ビタミンB12の注射が効果的です。

この治療により徐々に痛みが軽減して、鎮痛剤などを使わなくてもすみます。温かいタオルなどによる温罨法(おんあんぽう)が効きます。冷やしてはいけません。

予防方法や、もし起こってしまったら


まずは、ストレスを解消し、生活習慣を見直しましょう。

予防法の基本は、無理をしないで、ゆっくりとした首や肩のストレッチが効果的です。

起こってしまったら、首筋を温めて、筋肉のコリをほぐし、痛む部分をマッサージします。枕の高さを調整することで、軽減される場合もあります。

症状が出てきたら、早めに専門家や、かかりつけのドクターに相談するなどしてくださいね。

<執筆者プロフィール>
南部 洋子 (なんぶ ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師 株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー