DCコミックス映画を語ったザック・スナイダー監督 (C)Sipa Press/amanaimages

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 DCコミックスのヒーローたちが世界観を共有する「DCフィルムズ・ユニバース」の第1作となる「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」が公開を迎えた。メガホンをとったザック・スナイダー監督が、米ロサンゼルスのワーナー・ブラザーススタジオで映画.comの取材に応じ、今後のDCコミックス映画の可能性を語った。

 スナイダー監督作「マン・オブ・スティール」(2013)の続編でありながら、これまで映画化されなったDCコミックスのヒーローチーム“ジャスティス・リーグ”結成への第1歩となる今作。超大作フランチャイズの指揮をとることになったスナイダー監督は「こういう形で展開していなかったら、もっと怖気づいていたかも」と本音を漏らすが、製作に費やした時間が不安を打ち消したという。「DCの世界を拡大展開させていくのは、信じられないほど光栄で大きな喜びだよ。今はこれからの無限の可能性を感じているところだ」

 今作では「マン・オブ・スティール」での戦いで街を破壊され、“被害者”となった人間がスーパーマンを敵視するようになったことに端を発し、スーパーマン(ヘンリー・カビル)とバットマン(ベン・アフレック)の対立が描かれる。「ヒーロー映画では、ビルが崩壊しても実際に何が起こったのかは見せないものが多い。強いファイターでありながらただの人間でもあるバットマンに、スーパーマンの戦いでもたらされた被害を見て欲しかったんだ。そして行動を起こさせたかった」

 しかし、生身の人間であるバットマンが“神”と呼ばれる異星人スーパーマンと対決するという、無謀とも思える戦いに現実味を持たせることは「とても難しかった」と明かす。「バットマンは賢明で、超人と戦うためにチェス盤上の駒をどう動かしたらいいのかを理解しているよ」とバットマンの勝算を語るも、スーパーマンの超人的な力にはお手上げの様子。「これは映画だからね! 楽しくするために、彼らをなんとか戦わせるように仕向けなくちゃ(笑)」とユーモアたっぷりにリップサービスした。

 そんなスナイダー監督がこだわったのは、「300 スリーハンドレッド」シリーズや「ウォッチメン」といった作品でも高く評価されてきたアクションだ。「僕にとってアクションは一種の芸術。肉体的であると同時に、ポートレートのようなものが好きなんだ。神話的な衝突が感じられて、とても象徴的なものでないといけない。戦いのなかにも常に詩的なものを求めているよ」

 俳優陣はこの要求に完璧に応えたといい、「ヘンリーにはこれまで曖昧だったスーパーマンの感情的な部分に踏み込んでいくよう頼んだんだ。難しい役どころだったと思うが、素晴らしく演じてくれたよ」とニッコリ。初タッグとなるアフレックについても「素晴らしいブルース・ウェイン(バットマンの昼の顔)を演じていて、たとえバットマンの中身がスタントマンでも関係ない。観客は一旦ベンが演じるブルースを見ていれば、中身はブルースだと信じ込むんだ」と手放しで称賛した。

 また、今作の大きな見どころのひとつにワンダーウーマン(ガル・ギャドット)の登場がある。「今こそ強い女性のスーパーヒーローが存在すべきだ」と主張し、「(原作コミックスで)ワンダーウーマンは75年間も存在していているのに、映画に登場しないのは変だと思っていた。僕たちにはこの映画でその過ちを正す責任がある」と今作での活躍と「ワンダーウーマン(原題)」(17)の公開に期待を持たせた。

 さらに、「ジャスティス・リーグ パート1(原題)」(17)への布石となる新しいヒーローたちの登場も示唆し、「ヒントがあるから目を配って欲しいね」とニヤリ。スナイダー監督のなかに広がっている、DCコミックス映画の新たな世界に期待は高まるばかりだ。