2016年クラシック候補たち
第6回:ロードクエスト

 早々にデビュー勝ちを収めた有力2歳馬が集う、夏のGIII新潟2歳S(新潟・芝1600m)。2014年の桜花賞(阪神・芝1600m)を制したハープスターや、2008年の朝日杯フューチュリティS(中山・芝1600m)を勝ったセイウンワンダーらが、この舞台で白星を飾って、のちのGI馬となった。さらに、ジャスタウェイ(2011年、2着)やイスラボニータ(2013年、2着)など、多くの名馬がここをステップにして、その後に飛躍を果たしている。

 そして昨年の新潟2歳S(2015年8月30日)でも、「将来の大物候補」が躍動した。驚異的なパフォーマンスで他馬を圧倒した、ロードクエスト(牡3歳/父マツリダゴッホ)である。

 昨年6月のデビュー戦を快勝し、新潟2歳Sへ直行したロードクエスト。スタートで出遅れて、道中は最後方の18番手を追走する苦しい展開となった。しかし直線に入ると、インコースからアッという間に前方馬群をごぼう抜き。まるでワープしたかのような加速でトップに踊り出て、そのまま後続を4馬身も突き放した。

 3戦目は、およそ4カ月の休養を挟んで年末のGIIホープフルS(2015年12月27日/中山・芝2000m)に臨んだ。ここでは2着に敗れたものの、最後方からきっちり追い込んで、能力の高さを示した。

 同馬を管理するのは、美浦トレセン(茨城県)の小島茂之厩舎。3戦目こそ苦杯をなめたものの、スタッフによるこの馬への評価は依然として高いという。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「ホープフルSでは初黒星を喫しましたが、小島調教師は『もうちょっとうまく立ち回れば、結果は違ったはず』と言って、まったく悲観していませんでした。実際、同レースはペースが遅く、追い込み馬には苦しい展開でした。そうした厳しい流れの中にあっても、ロードクエストは最後方から大外を回って2着を確保。十分に強さを見せましたからね。『クラシックでも間違いなく勝負できる』と、小島調教師も改めて手応えを得ていたようでした」

 ロードクエストはこのあと、GIIスプリングS(3月20日/中山・芝1800m)を叩いて、春のクラシックに向かう予定。前出のトラックマンによれば、その叩き台となるスプリングSが、「この馬にとっては、重要なレースになる」と言う。

「末脚の破壊力は認めるところですが、これまで極端な後方一気の競馬しかしてきていません。やはり全体のレベルが上がるクラシックでは、その点が懸念材料となります。特にクラシック第1弾の皐月賞(4月17日/中山・芝2000m)は、最後の直線が短く、先行する実力馬たちを捕らえるのも、そう簡単なことではないでしょうからね。そうしたことを踏まえて、陣営もスプリングSでは、今までよりも前につける競馬をさせたいようです。その競馬でも、これまでと同じように結果が出せるかどうか、ポイントになります。

 皐月賞の次、日本ダービー(5月29日/東京・芝2400m)については、陣営もまったく心配していません。当初から『距離も、コース形態も、ロードクエストに向いている舞台』と話していたほどで、存分に力を発揮してくれるのではないでしょうか。結果を出せるかどうかは、同世代の強豪馬との力関係だけですね」

 ロードクエストは、年が明けて1月の終わりには厩舎で調教をスタート。大舞台に向けて、順調に準備を進めている。その過程について、再び前出のトラックマンが語る。

「厩舎スタッフによれば、『追い切りをコンスタントにやっても、ロードクエストはまったくへこたれない』とのこと。そういった体の強さも、『この馬の強み』とスタッフはとらえているようです」

 昨夏の新潟2歳Sで、衝撃的なレースを見せたロードクエスト。クラシックでもあの輝きを放ち、ディープ産駒やキンカメ産駒の良血馬たちにひと泡吹かせられるか。まずは、復帰戦となるスプリングSの走りに注目だ。

河合力●文 text by Kawai Chikara