日本では毎年1万〜1万5千社の起業が倒産しているといわれています。やっと見つけた就職先が経営不振で潰れてしまったりしては、たまったものではありませんよね。

潰れたら社員がなにより大変



もし勤めている会社が潰れてしまった場合、もっとも大変になるのは社員かもしれません。当然、再就職先を探さなければいけませんが、もちろん同じ条件で働けるとはかぎりません。

就職先が決まるまでは収入を得るのもひと苦労でしょう。ましてや、給与の未払い分などがあれば、そのまま受け取れない可能性だってあるのです。

潰れる会社の傾向は?





もし会社が潰れそうなのであれば、実際に潰れてしまう前にあらかじめ手を打っておきたいところ。どんな会社が潰れてしまう傾向にあるのか、知っておいて損はなさそうですよね。

失業のプロに話を聞いてみた



そこで今回は、過去に5度も倒産による失業を経験したという反町さん(44歳・引越アルバイト)に話を伺い、潰れる寸前の会社にありがちなことを教えていただきました。

もし当てはまる要素が多ければ、あなたも早めに対策をしたほうがいいかもしれません……。

潰れる寸前の会社にありがちなこと11選





1. 給与の支払が遅れ始める

もっともわかりやすい例ですが、給与の遅配が始まったら会社は間違いなく倒産に向かって進み始めたと思っていいでしょう。給料日が数日遅れた程度ならまだ安心、と思ってはいけません。

社員の給与1ヶ月分の蓄えもないということになるわけですから。遅れが1ヶ月を超えたら完全にアウトですね。その状況から社員の給与数ヶ月分を巻き返せることはないと断言できます。

2. 役職者が急に増え始める

役職者には役職手当が支給されるものなので、景気がいい話に聞こえますが、経営が傾いている会社に限ってはそんなことありません。

役職者だから給与は残業代込みという形に持ち込み、馬車馬のように働かせたいだけなのです。「今は手当が少ないけど、体制が整ったらしっかり返す」というような言葉に騙されてはいけません。

3. 無料のウイルスソフトを使いはじめる

会社がパソコン周りで経費を削減するとすれば、真っ先に対象となるのがウイルス対策ソフトでしょう。プログラムを更新せず、無料のソフトを入れようという話になったら危険だと思ってください。

Microsoft OfficeやAdobeのソフトも無料ソフトで代用しようと画策し始めたら、もう末期です。

4. 玄関に塩を盛る



今までまったく気にしていなかったのに、急に玄関に塩を盛り出したり、風水的なことを気にし始めたりしたらアウトです。

経営が傾いていることの象徴でしかありませんし、経営が悪化している原因を「運が悪い」「流れが悪い」程度にしか考えていないといえます。悪化した原因を追求できなければ、まず立ち直らせることなどできません。

5. とりあえず新規事業に手を出す

ろくに準備もせず新規事業に手を出した場合は、もはやなりふり構っていられないという状況だと思ってください。

思いつきだけで動く新規事業は絶対にうまくいくはずがありませんから。特に、今までの業種とはまったく関係もコネクションもない事業に手を出す場合は危険です。

6. 経理が退職する



会社でお金の流れを知っているのは、上層部の他には経理部になります。経理が突然退職する場合は、会社の財政状況を見て、見切りをつけたと考えてもいいでしょう。

7. 先の予定が「〜と思う」「〜したい」になる

上司や会社の上層部にあたる人たちに今後の予定などを聞いて、断言ではなく「〜だと思う」「〜したい」と答えるようになった場合は、先の予定も確定できないほどの財政状況になっている可能性があります。

8. 社長自ら働き、精神論を語る

社長自ら現場仕事をおこない、「俺もやるからみんなも頑張れ!」と精神論を唱えだしたらアウトです。

社長しかできない経営を放棄し、目先の利益を優先していることになるので、長い目で見た立て直しができるはずない状況です。基本的に、社長が精神論や根性をよく唱える場合は、それだけで危ないですね。

9. 今年は勝負に出るぞ!と宣言

勝負に出るということは、すでに相当経営がまずい状況になっていると考えていいでしょう。本当に潤っている企業であれば、まず勝負をする必要がないですから。

10. 居酒屋で打ち合わせ



節々に経営が傾いていそうな感じを漂わせているのに、上層部が居酒屋で打ち合わせをしていたらアウトです。

財政状況が良かった頃の習慣が抜けず、経費の節約がまったくできない体質だと思ってください。そのままタクシーで帰ったりしていたら致命的ですね。

11. 会社のティッシュが街頭のポケットティッシュに

経費で購入しているボックスティッシュがなくなり、街頭で配布されているポケットティッシュになったら、もはやティッシュの購入費用さえケチりたい状況ということです。

表向きは「ちょうど切らせてしまった」というかもしれませんが、今やネットで注文しても即日配送ができる時代ですから。

反町さんからアドバイス





いかがでしたでしょうか。もし、いくつも当てはまる要素があった場合は、早急に転職を考えたほうがいいのかもしれません。最後に、反町さんからのアドバイスをいただきました。

「会社が潰れそうだと察知したら、一刻も早く転職をした方がいいですね。お人よしであればあるほど潰れるまで会社に残ってしまい、最後は自分が痛い目を見るのです。潰れそうな会社で働き続けられるほどの気合があるのなら、きっとどこの職場でもうまくやれますよ」

ちなみに、5度の失業を経験した反町さんは「もう会社には勤めたくない」と考えるようになってしまい、今後は気楽なバイトで一生暮らしていくと決断したそうです。場合によってはあなたも、流れに身を任せず早めの決断をしたほうがいいかもしれませんね。

■執筆・監修:Mr. Fox

執筆、撮影、編集家。日本生まれ、生年不詳、トレードマークはキツネの顔。世界各国を回りながら、メディアに関わる仕事をしてます。人のアイデアを転がします! コンコン。https://twitter.com/im_mr_fox/