長崎グルメの代表格といえば、ちゃんぽん。でも本場の味がいただけるお店は東京になかなかない。

豚骨ベースの白濁スープにもっちり食べ応えのある太麺。そして、麺を覆い隠すほどたっぷり乗せられる具材は、豚肉や野菜、魚介類などじつに多彩で店の個性が表れる。

今回は、長崎郷土の味を東京でも味わえる3軒を厳選してご紹介しよう。



「長崎出身者が懐かしさを感じるような味を」と店主。『宝来軒』の長崎ちゃんぽん¥800(並)は、鍋を持参すればテイクアウトも可。ユニークなサービスで近隣住民に大人気だ
ツウは柚子胡椒をプラス! 本場の味を引き継ぐ『宝来軒』

長崎の名店『宝来軒』で修行を積んだ先代が、ちゃんぽんと皿うどんの専門店として昭和51年に創業。駅から少々離れており恵まれた立地といえないものの、昼時には周辺住民や近くの警察署から屈強な身体の警察官で店はいっぱいになるという。

「ラーメンよりさっぱり食べられるように」と2代目・松尾勝彦さん。豚骨を半日以上煮込んだスープは、旨みを凝縮していながらもキレがあり、最後まで飽きが来ない。甘みたっぷりのキャベツやイカ、さつまあげ、カマボコなど、すべての具材と合わさって100になる仕上がりに特注の太麺がよく合う。ツウは柚子胡椒をアクセントに加えるそうだ。

肉体派のお腹も満足させる抜群のボリュームと郷愁の味、正統派のちゃんぽんが葛西にある。




具材はいたってシンプルだが、じんわり染みるスープは〆にいただきたい完成度。『西海』のちゃんぽん¥800(夜は¥1,000)
角のないまろやかスープに舌も歓喜! 神田の郷土料理店『西海』

長崎郷土料理の店として、神田で愛され続けること30余年。

スープは鶏ガラと豚骨を香味野菜とともに半日煮込む。ガラの合わせ技により豚骨感が和らぎ、さっぱり素朴な中にもコクがある優しいスープが生まれる。これが、長崎・五島製麺から取り寄せるコシの強い麺に絡み、口いっぱいで重層的な旨みを感じられる。

料理長がこっそり教えてくれた食べ方がある。卓上にある香港の老舗調味料メーカー「季錦記」製ラー油をチョイ足しするものだ。小匙一杯程度加えるだけで、まろやかなスープにゴマの焙煎香とピリ辛な刺激がプラスされ、ちゃんぽんが新たな顔を見せる。

夜中でもいただける絶品ちゃんぽんも!

長崎ちゃんぽん(中)。野菜や海鮮がたっぷりと乗り、麺も270gと他店の大盛り並みのボリューム。野菜増しもOK
営業は30時まで! 夜型六本木民の味方『長崎ちゃんぽんふじ』

控えめな店構えながら、確かな味と良心的なボリュームが評判を呼び、ランチ時は行列ができるほどの人気店。店主の小菅ケイ子さんは「豚骨、豚皮、鶏ガラから取っただしと野菜だしをブレンドしたスープがうちのちゃんぽんの味の決め手ね」と胸を張る。

白濁したスープはなるほど、いくつもの素材の味が醸し出す深みのある味。太いちゃんぽん麺にも、しっかりと味が乗る。食べごたえアリの餃子や、ニラのほか玉ねぎや人参の入るニラ玉ハムカツ、シュウマイなど、どこか家庭的な肴の充実もありがたい。