オスカー像は誰の手に?/写真:SPLASH/アフロ

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現地時間の2月28日に開催される第88回アカデミー賞授賞式を数日後に控え、これまでの各賞の受賞結果と、各メディアの予測を参考に直前予測をまとめてみた。

【写真を見る】L・ディカプリオは、5度目の正直で初受賞となるか?/[c]2016 Twentieth Century Fox

「白すぎるオスカー」など何かと物議をかもしている今年のオスカーだが、作品賞などを占う上で大きな指標となる全米脚本家組合賞、全米監督組合賞、全米製作組合賞の結果もバラバラで、大本命は見えないままだ。

これまでのアカデミー会員の好みを考えれば、作品賞は『スポットライト 世紀のスクープ』(トム・マッカーシー監督)が最有力候補で、それを追うのが最多の12部門でノミネートされている『レヴェナント: 蘇えりし者』(アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督)と言えるだろう。しかし『レヴェナント〜』が後半戦で勢いを増している上に、昨年、快進撃を続けてきた『6才のボクが、大人になるまで。』(リチャード・リンクレーター監督)が、イニャリトゥ監督の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に作品賞を奪われたことを考えると、まさに予測不可能な状況だ。

また徹底的にコメディの部分を抑えた宣伝活動を行っている上に、米大統領選を控えたタイミングとあって、ブラッド・ピット製作の『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(アダム・マッケイ監督)も侮れない。どの作品が受賞してもサプライズにはならない激戦となっているが、脚本賞に選ばれていない『レヴェナント〜』が作品賞、『スポットライト〜』が脚本賞、『マネー・ショート〜』が脚色賞に落ち着く可能性が高いと予測するメディアも多い。

監督賞は、昨年『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で同賞を受賞したイニャリトゥ監督が、ジョン・フォード(1941年と42年)とジョセフ・L・マンキーウィッツ(1950年と51年)に続く65年ぶり、史上3人目となる2年連続での受賞を果たすのではないかと予測されている。

オスカー会員は、長きにわたって貢献してきた業界人に最後の花を持たせる傾向があることから、各賞で快進撃を続けている『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のジョージ・ミラー監督にも可能性は残されている。しかし、『21グラム』(03)、『バベル』(06)とオスカー好みの秀作を撮り続けているうえに、主演男優賞及び女優賞、助演男優賞及び女優賞、監督賞の25人の中で、唯一有色人種であるイニャリトゥ監督とあって、受賞の可能性は高そうだ。

毎年、最後まで混戦模様が続く主演男優賞と女優賞だが、今年は、選ばれなかった場合に大いに物議をかもしそうな大本命がいる。それは、5度目のオスカーノミネートを果たした『レヴェナント: 蘇えりし者』のレオナルド・ディカプリオだ。

もし同じ土俵に、2度のオスカーに輝いているダニエル・デイ=ルイスがいれば話は別だが、大方の評判通り、今年はまさにレオの年になりそう。他に一騎打ちと言われている候補者もいないことから悲願の受賞が実現できそうで、「選ばれない方がサプライズ」との機運が高まっている。大親友のケイト・ウィンスレットが、この時とばかりに授賞式でレオにキスの嵐を浴びせる姿を見るのが待ち遠しい。また女優賞も、今年は『ルーム』のブリー・ラーソンが、ぶっちぎりの強さを見せている。

逆に、毎年早々に本命が絞られている助演男優賞と助演女優賞が、今年は混戦模様だ。当初は『ブリッジ・オブ・スパイ』のベテラン俳優マーク・ライランスが最有力候補とされてきたが、現在は、『クリード チャンプを継ぐ男』で、1977年に『ロッキー』(76)でノミネートされて以来のノミネートを果たしたシルヴェスター・スタローンが、フロントランナーだ。しかし『レヴェナント〜』の快進撃は凄まじいものがあり、トム・ハーディも侮れない。

また今回、「白すぎるオスカー」でウィル・スミス夫妻ら一部の黒人俳優や監督などがボイコットを表明したことを受け、「もしライアン・クーグラー監督が『出席するな』と言えば、ボイコットするところだった」というスタローンのコメントが、「男気がある」と捉えられるのか、はたまた白すぎるオスカー会員の怒りを買うかによって異なる結果になりそうだ(『クリード〜』の監督も主演も黒人で、彼らはノミネートされなかった。スタローンは監督に出席するべきと言われ出席した)。

助演女優賞は、『リリーのすべて』でリリーの妻役を演じたアリシア・ヴィキャンデルが最有力候補と言われていたが、6度のオスカーノミネート歴を誇るケイト・ウィンスレットが『スティーブ・ジョブズ』で見せた演技力も圧巻だったため、こちらも接戦になるだろう。オスカー会員好みのケイトは既に2度の受賞も果たしており、最後まで目が離せない。

ドルビー・シアターで開催される同授賞式で、黒人ホストのクリス・ロックがどのようなジョークをかますのか。結果と共に楽しみだ。【NY在住/JUNKO】