腸活、温活、老化防止…「お粥の力」が想像以上にスゴかった!

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都内ではお粥専門店が続々とオープンしていますね。お粥といえば、赤ちゃんの離乳食や子どものころ風邪をひいた時に食べた記憶がよみがえってくる程度かもしれません。

しかし、中国や韓国ではお粥は朝食の定番で、その健康効果は古くから伝えられています。実は日本でも、鎌倉時代初期の僧侶・道元禅師が『粥有十利(しゅうゆうじり)』を記し、お粥には10の効果があると綴られています。

そこで今回は、インナービューティと健康のプロである筆者が、多方面の視点から目的別の“お粥の選び方”をご紹介します。

■低カロリーだけじゃない!お粥の「10の効果」

前述した『粥有十利』には、お粥には下記のような10の効果があると書かれています。

(1)顔色や肌の色つやを良くする

(2)体力や気力を増幅させる

(3)老いを止め、寿命を延ばす

(4)胃に優しく、食べ過ぎを防ぐ

(5)頭がすっきりするので、饒舌になる

(6)胸やけがせず、腸をきれいにする

(7)風邪の予防・改善

(8)空腹を満たす

(9)喉を潤す

(10)むくみや便秘を良くする

塩だけで味付けされた白粥でもこれだけの効果があるとは驚きですよね! ただし、この効果はあくまで鎌倉時代初期の人が食べた場合。現代人がいつも通り食べても、果たしてここまでの効果が得られるかはわかりません。

なぜなら、現代人は約600回程度しか咀嚼していないのに対し、当時の人々は1回の食事で約2,650回も噛んでいたから。お粥の主成分である炭水化物は、唾液中に含まれる炭水化物分解酵素アミラーゼによってそのほとんどが分解されます。そのため、柔らかく炊かれたお粥は噛んですりつぶす必要がなくとも、十分に唾液と混ぜ合わせるためにしっかり噛むことが必要なのです。そうでなければ、体内に栄養素が吸収されません。

■アナタはどんな気分?目的別「トッピング」の選び方

(1)体がポカポカ!「温活」にはコレ

お粥自体も体を温めてくれますが、そこに“温性”の生姜や腹中を温め解毒作用があるとされるニラ、寒さをちらし経路を温めるといわれるよもぎをトッピングしましょう。身体の中からしっかり温めることができます。

(2)スッキリしたい!「腸活」にはコレ

腸活には“松の実+お漬物”がオススメ。松の実は腸を潤し便通を良くするといわれます。そこにしっかり発酵されたお漬物を組み合わせれば、腸活にはとても強い味方となるでしょう。

(3)老化にSTOP!「美活」にはコレ

クコの実は中医学では“枸杞子(クコシ)”と呼ばれ、老化防止や美肌作り、代謝促進、冷えの解消とその効用は多岐にわたります。1日にたった3粒食べるだけでもその効果が得られるそう。また欧米では“ゴジベリー”と呼ばれ、アサイー同様スーパーフルーツと言われています。

(4)イライラから抜け出したい!「リラックス」にはコレ

イライラする時や精神的に不安定な時、眠れない時には卵粥がオススメ。鶏卵はこのようなストレス症状に良いとされています。

また香りでリラックス効果が得られるといわれているのが、ほうじ茶で炊かれた茶粥。奈良の名物として知られていますが、ほうじ茶さえあれば“煮出したほうじ茶でお粥を炊くだけ”という簡単レシピなので誰でも作ることができます。香ばしい香りとお粥の優しい口当たりでリラックスできることでしょう。

さらに、お肌が気になる人は、鶏ガラからしっかり取ったスープで中華粥にすれば、コラーゲンも一緒に摂ることができますよ。

これだけいいこと尽くしとあれば、試してみないわけにはいきませんよね! 1日の中で、1食をお粥にしてみるのもオススメです。ぜひ目的に合わせたトッピングを選んで、お粥を楽しんでみてくださいね。

【著者略歴】※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

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※ yumehana / shutterstock