山口を開幕投手に指名したDeNA・ラミレス監督

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プロ11年目・山口を開幕投手に指名

 シーズンの流れを左右することになる開幕投手の座。絶対に落とせない試合となり、各球団は当然、最も勝つ可能性が高いエース級を投入する。昨季の最下位からの浮上を目指すDeNAは、ラミレス新監督がプロ11年目の山口俊を指名した。

 その決定は早く、伝達方法は、今季から就任した新指揮官らしいユニークなものだった。1月4日。ラミレス監督は山口の携帯に直接電話をかけ、可能な限り日本語で話し、今季の開幕戦の3月25日・広島戦(マツダ)の先発として起用することを伝えたという。知らない番号からかかってきたという山口も驚いたことは想像に難くない。

 開幕投手は本来、山口を筆頭に井納、久保康が争う構図だった。では、なぜ早々と決断し、本人に伝えたのか。その裏にラミレス監督の思いやりがあったという。

「キャンプに入った時に何をすればいいか分からない状態で入ってきてほしくなかった。それに山口とより良い関係を築きたい、と思っていた。それができれば、彼にいかに期待していて、柱になってほしいという思いがあるか伝えられるとも思った」

ラミレス監督が山口に伝えた言葉

 山口といえば、05年の高校生ドラフト1位で入団したが、先発と救援の転向を繰り返した。特に好投しながら急に崩れ、大量失点するなど精神面の脆さを指摘する声もあった。だが、187センチの体に秘めた能力が群を抜いているのは間違いない。それは、指揮官にとっても一緒だった。

「彼には10〜15勝くらいできる力があるし、それを実現してくれるとも思っている。ベイスターズのエースになってもらいたい」

 信じた才能を最大限に発揮させるため、余計な精神的な不安を取り除き、プレーに集中させる。開幕投手という大役をできる限り早く本人に伝えた意図は、そこにあった。

 1月4日、ラミレス監督は山口に電話した際、こんな言葉を添えたのだという。

「君はチームのNO1の柱になる。エースとして1年間、回ってほしい。だから、頑張って準備してほしい」

 エースの自覚を示すように沖縄・宜野湾キャンプで連日、ハイペースに投げ込んでいる。9日のシート打撃では打者8人から5三振を奪う圧巻の投球を披露。今年の山口は、明らかに違う。ラミレス監督の大きな期待を託された背番号11に、覚醒の予感が漂っている。