【戸塚啓コラム】野球に比べてネタ不足。Jリーグの人気回復にはクラブの情報発信が不可欠
あるチームのキャンプ取材で、沖縄へ行ってきた。
キャンプ地の多くは、Jリーグの試合取材ではなかなか縁のない土地だ。沖縄だけでなく、宮崎でも鹿児島でも、現場へ行くだけで心が弾む。取材後の食事に、惹かれているところもあるのだが……。
キャンプを取材すると、色々なことに気づく。練習前のウォーミングアップを比べても、チームによって(あるいは監督によって)違いがあるものだ。
ところで、一般のサッカーファンがキャンプ地を訪れるのは難しい。情報はテレビか新聞が頼りになるが、現実はサッカー界に厳しい。
テレビのスポーツニュースを観ても、スポーツ紙を開いても、目に飛び込んでくるのはプロ野球ばかりだ。圧倒的ボリュームを締めている。
インターネットで検索すれば、サッカーのキャンプ情報にも触れられる。情報が不足しているわけではない──という意見もあるだろう。
だが、Jリーグを盛り立てて人気回復につなげる意味で、テレビの影響力を見落とすことはできない。インターネットは広く若い世代が馴染んでいるメディアだが、中高年は親しめる人とそうでない人に別れる。
プロ野球の人気が低迷し、人気の回復が進まないのも、地上波での試合中継がいっこうに増えていないからだ。年齢と性別を問わずに情報を届けられる媒体として、テレビの力はやはり大きい。
テレビや新聞が取り上げるプロ野球は、連日のように特ダネを発信しているのだろうか。そうではない。シーズン中ならベタ記事で処理されるような情報が、派手な見出しで彩られたりもする。明らかに記事が不足しているな、という紙面もある。
ただ、プロ野球の球団からは、情報を提供しようという意思がうかがえる。キャンプ中のオフにも取材対応をするのは──それがルーキーの役割だとしても──メディアにとってはありがたいはずだ。ニュースや記事のネタというものは、いくらあってもいいからだ。
たとえば、「オフにイチゴ狩りをした」というニュースは、野球の本質とはまったく関係のないことである。ニュースバリューは低い。それでも、スポーツニュースを観ている視聴者は、スポーツ紙を開いた読者は、どのチームにどんなルーキーが入団したのかが分かる。
キャンプの目的は、シーズン前の土台作りにある。どのチームの監督も、時間を有効に使いたいだろう。メリハリの効いたスケジュールを組みたいだろう。
来るべきシーズンを戦い抜くための準備期間という前提が揺るがない範囲内で、Jリーグのクラブも情報発信をできないものだろうか。
ファンあってのプロスポーツなのだ。「キャンプでは恒例の……」というフレーズがテレビや新聞で使われるぐらいの距離感を、各クラブに作っていってほしいのである。
キャンプ地の多くは、Jリーグの試合取材ではなかなか縁のない土地だ。沖縄だけでなく、宮崎でも鹿児島でも、現場へ行くだけで心が弾む。取材後の食事に、惹かれているところもあるのだが……。
キャンプを取材すると、色々なことに気づく。練習前のウォーミングアップを比べても、チームによって(あるいは監督によって)違いがあるものだ。
テレビのスポーツニュースを観ても、スポーツ紙を開いても、目に飛び込んでくるのはプロ野球ばかりだ。圧倒的ボリュームを締めている。
インターネットで検索すれば、サッカーのキャンプ情報にも触れられる。情報が不足しているわけではない──という意見もあるだろう。
だが、Jリーグを盛り立てて人気回復につなげる意味で、テレビの影響力を見落とすことはできない。インターネットは広く若い世代が馴染んでいるメディアだが、中高年は親しめる人とそうでない人に別れる。
プロ野球の人気が低迷し、人気の回復が進まないのも、地上波での試合中継がいっこうに増えていないからだ。年齢と性別を問わずに情報を届けられる媒体として、テレビの力はやはり大きい。
テレビや新聞が取り上げるプロ野球は、連日のように特ダネを発信しているのだろうか。そうではない。シーズン中ならベタ記事で処理されるような情報が、派手な見出しで彩られたりもする。明らかに記事が不足しているな、という紙面もある。
ただ、プロ野球の球団からは、情報を提供しようという意思がうかがえる。キャンプ中のオフにも取材対応をするのは──それがルーキーの役割だとしても──メディアにとってはありがたいはずだ。ニュースや記事のネタというものは、いくらあってもいいからだ。
たとえば、「オフにイチゴ狩りをした」というニュースは、野球の本質とはまったく関係のないことである。ニュースバリューは低い。それでも、スポーツニュースを観ている視聴者は、スポーツ紙を開いた読者は、どのチームにどんなルーキーが入団したのかが分かる。
キャンプの目的は、シーズン前の土台作りにある。どのチームの監督も、時間を有効に使いたいだろう。メリハリの効いたスケジュールを組みたいだろう。
来るべきシーズンを戦い抜くための準備期間という前提が揺るがない範囲内で、Jリーグのクラブも情報発信をできないものだろうか。
ファンあってのプロスポーツなのだ。「キャンプでは恒例の……」というフレーズがテレビや新聞で使われるぐらいの距離感を、各クラブに作っていってほしいのである。
1968年生まれ。'91年から'98年まで『サッカーダイジェスト』編集部に所属。'98年秋よりフリーに。2000年3月より、日本代表の国際Aマッチを連続して取材している