激安物件には、「怖〜い」ワケがある? (画像はイメージ。記事とは関係ありません)

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兵庫県神戸市にある、2DKの間取りで敷金・礼金ゼロ、さらに家賃は2万2000円という超破格の物件に注目が集まっている。

最寄り駅から徒歩10〜15分で即入居可能なうえ、2人でも住めるというから、学生のみならず、若いカップルにもおすすめの物件といえそう。とはいえ、「安いものには裏がある」もの。この物件も、なにやら曰くつきのようなのだ。

備考「全入居者室内にて服毒自殺」・・・

不動産・住宅情報サイト「HOME'S」(homes.co.jp)に掲載されていた、この物件は木造2階建てアパートの1階。築37年(1980年2月)と古いが、間取りはダイニングキッチン(4畳)と、8畳と4.5畳の洋室の2DK。バスとトイレは別で、フローリング、クローゼット、エアコン付き。そのうえ、CATVに光ファイバーが敷設済みというから、すぐにでも暮らせそう。

しかも、敷金・礼金ゼロ、家賃は2万2000円の激安。物件情報には「敷金礼金ゼロゼロ物件、初期費用を抑えたい方におすすめ。」と、今にも飛びつきたくなるようなセールスポイントも書かれていた。

ところが備考欄には、さらっと「全入居者室内にて服毒自殺」との記載が......。これが事実で、本当に「全入居者が服毒自殺」を図ったのか、あるいは単に「前入居者」の誤字なのか、詳細はわかっていないが、「HOME'S」を運営するネクストによると、「現在(2016年2月8日14時時点)、物件情報は、掲載した不動産会社側によって取り下げられています」と話している。

インターネットでは、この物件情報が「怖すぎる」とされ、

「住むと必ず服毒自殺する家かwwwww」
「前入居者やろ。全員死んどるんか」
「生きて出れんやんけ」
「えっ、全部屋で死んでるってこと?」

といった、恐れおののく声が寄せられている半面、

「ええやん。ポイズンハウスwww」
「でも、それで安く住めるんならよくない?」
「安けりゃいいんじゃね。そんなに気になることなん・・・」

などと、とくに気にもとめていない人もいるようだ。

ネクストは、「(物件情報の記載について)当社のガイドラインに違反しているわけではありません」としたうえで、ただ、「通常は『告知事項あり』や『心理的瑕疵あり』といった表記が一般的で、あそこまで具体的に記載したケースはほとんどないと思います」と話している。

「前入居者」の誤字だったとの情報もあるが、いずれにしても人が亡くなった「事故物件」であることは間違いないのかもしれない。

「一度、人が借りると次の入居者への説明義務はなくなる」

物件情報にある「告知事項あり」とは、「契約前に必ず知らせる情報(重要事項説明)がある」ということを示している。一般には、その部屋で自殺や殺人、孤独死、火災があった場合などの「事故物件」があるが、電車の振動や日照被害、建物の傾きや土壌汚染、違法建築なども含まれることがある。

つまり、「事前に知っていれば、その部屋を借りなかった」と考えられる事実で、隠したまま契約しても、後日事実がわかった場合には「瑕疵」があったとみなされ、契約を取り消せる。

ただし、「その判断はケース・バイ・ケースです」(不動産関係者)という。たとえば、自然死の場合は放置されていなければ説明されないことも少なくなく、また隣りの部屋の火災などは借りる部屋と直接関係がないので説明されなかったり、自殺などの発覚後、ある程度の年月が経ってから破格の賃料で入居者を募集したりすることは少なくない。さらに一度、人が借りて入居してしまうと次の入居者への説明義務がなくなる場合もあるとされる。

不動産売買・賃貸情報の専門サイト「オウチーノ」のオウチーノ編集部が、首都圏に住む20〜30代の男女(2015年10月9〜12日、500人が回答)に、「事故物件に住んでもいいと思っているか?」聞いたところ、「住んでもいい」人は18.7%、「住みたくない」人は47.5%だったことがわかった。

さらに、「家賃がいくら安くなったら、事故物件に住んでもいいと思いますか?」の問いには、40.8%の人(下げ幅が「1万円」から「5万円以上」まで合計)が、「家賃が安くなるなら事故物件に住んでもいい」と答えた。「いくら安くなっても住みたくない」は48.4%だった。

ちなみに、「事故物件に住んだことがある」という人は、わずか6.9%だった。