建設業S社(千葉県白井市)から甘利明経済再生相サイドへの約1200万円の“献金疑惑”が吹き出し、多くの問題を抱えた安倍政権が崖っぷちに立たされた。政界裏事情通からは「もはや安倍はもたない。菅官房長官は見切りをつけ、裏で“ポスト安倍”への動きを仕掛け始めている」と、驚きの情報まで流れ始めているという。菅氏が担ぎ出そうとしている意中の人はいったい誰なのか。

 今回、週刊文春が報じた甘利氏の疑惑記事の内容はこうだ。
 (1)S社と、千葉ニュータウン北環状道路を千葉県から請け負ったUR(独立行政法人都市再生機構)の間で、工事をめぐりトラブルが発生。その補償交渉を、S社総務担当者が甘利事務所に依頼。結果、URから約2億2000万円の補償金を得て、その礼に現金500万円を甘利事務所に届ける。収支報告書への記載は自民党神奈川県第13選挙区支部など200万円のみ。300万円が消えた疑惑。
 (2)'13年と'14年、同総務担当者が2度にわたり現金入り封筒を甘利氏に手渡す。政治資金未処理疑惑。

 白井市の事情通が言う。
 「S社は、広い借地にバラックと言っていい建物がいくつか建つ程度で、地元でもそんな会社があったのかと言われるほど目立たない。型枠などの下請け工事が多いとされるが、よく甘利氏サイドに飲食代を含め総額1200万円もの大金が出せたと、驚きの目でみられています」

 S社は、会社設立から40年近くが経つ。資本金は約1000万円。
 「総務担当者は300万円が消えたと『週刊文春』で証言。しかし一方で、甘利事務所は当時の記録などを調べたが最初から300万円はなかったと秘書らが言い、話が食い違っている。どちらの言い分が正しいか、検証はこれからですが、カネの授受を裏付ける録音も写真も多数あるというだけに甘利氏サイドは相当不利でしょう」(全国紙遊軍記者)

 政治資金規正法違反はもちろん、半ば国営のURに大臣事務所が圧力かけ利益をむさぼったとなれば、甘利氏は完全にアウトだ。そんな中、安倍政権の足元を揺るがすもうひとつの“爆弾”と言われているのが、昨年末、国の就学支援金不正受給疑惑で東京地検特捜部のメスが入った、通信制高校『ウィッツ青山学園高校』(三重県伊賀市)に関してだ。
 「『ウィッツ青山』の創業者M氏は、自民党有力議員の後援会にも大きくかかわり、さらにはほかの大物議員との交流もあるという。つまり特捜部は、高校だけがターゲットではないとの見方もある。捜査次第では今後、政権与党に大嵐が吹く可能性もあるのです」(『ウィッツ青山』の裏事情を知る関係者)