厳選!新馬情報局(2016年版)
第34回:エイシンティンクル

 昨年末、国際GIの香港カップ(香港・芝2000m)で、華麗な逃げ切り勝ちを決めたエイシンヒカリ(牡5歳/父ディープインパクト)。3歳の4月(2014年)にデビューした遅咲きの快速馬は、11戦9勝というキャリアで初のGIタイトルをつかんだ。

 今年は、どこまでその逃げ足に磨きをかけていくのか。国内から海外まで、エイシンヒカリに対するファンの注目度は高い。

 そんな中、エイシンヒカリの妹、エイシンティンクル(牝3歳/父ディープインパクト)がデビューへ向けて着々と準備を進めている。

 兄エイシンヒカリとは、父も同じ「全妹」の関係。管理する厩舎も、兄と同じ栗東トレセン(滋賀県)の坂口正則厩舎というエイシンティンクル。同馬に対して、管理するスタッフからはこんな声が聞こえてくるという。関西競馬専門紙のトラックマンが語る。

「1月下旬の段階で506kgと、牝馬にしては雄大な馬体を持っています。なんでも『今回入厩する前に、急激に体が大きくなった』とのことで、やっと成長してきたのかもしれません。この兄姉は全体的に成長が遅いタイプで、入厩が年明けになったのも、『アクシデントや脚元の不安があったわけではなく、成長を待った』と聞いています。『兄よりも、馬体は見栄えがする』と、スタッフはかなり楽しみにしていますね」

 同馬の母キャタリナは、これまでいろいろな種牡馬と配合されてきたが、なかなか大物を出すことができなかった。それが、ディープインパクトと初めて交配したところ、エイシンヒカリが誕生。デビュー5連勝を飾るなどの快進撃を見せ、GI制覇まで成し遂げた。そんな偉大な兄とまったく同じ血を持つ妹だけに、厩舎スタッフの期待が膨らむのは当然だろう。

 とはいえ、エイシンティンクルはまだゲート試験の段階。トラックマンによれば、「デビューはもう少し先になる」という。

「陣営としては、『ゲート試験に合格したら、そこからデビューに向けた本格的な調教を始める』とのこと。まだ速いタイムの調教はしていないので、スタッフも本当の能力はつかみきれていないようです。現状の見通しとしては、『順調なら3月あたりのデビューになりそう』という話でしたね」

 兄エイシンヒカリは今年、ふたつ目のGI獲得はもちろん、時代を担うトップホースとして一層の活躍が見込まれている。その兄に続いて、エイシンティンクルもまた、遅いデビューから一気に表舞台へと駆け上がっていくことができるのか。関係者ならずとも、注目である。

河合力●文 text by Kawai Chikara